グローバル化が進む中、親たちは、子供を世界で通用するエリートに育てるため、日々、努力を重ねている。しかし、若手マザーの中には、子育ての仕方がわか らず、周りの助言にも恵まれないケースも多い。そこで、ベストセラー『世界中のエリートの働き方を1冊にまとめてみた』の著者であるムーギー・キム氏の母親で、子供を国際弁護士、国際金融マン、海外著名大学教員、公認会計士に育て上げた 著者が、読者の皆様からの子育て相談に回答する。
最近の若い人はあいさつをしない、できない、ということがよく話題になります。今日は心を込めたあいさつを受けられて感動された方からのメッセージから、考えたいと思います。
子育てについての、私の経験を話させていただきます。私は21歳から料理人の道を独学で学び、40年近く歩んできました。私は、子供の進学にも興味はなく、子供には子供の人生がありますから、好きにするよう放任しています。
実は子供には学ばせるのではなく、親がまず日々、学ぶことが大切だとつくづく感じたことが、先日ありました。
15年も前に紹介された私の店の新聞記事をみて、ある日、ひとりのご老人が来店くださいました。お帰りになられる際は店内でお見送りさせていただいたのですが、その方は、ドアを閉めて外からぺこりと帽子をとられてお辞儀をされたのです。
私は40年近くこの仕事をしていまして、あいさつは大事、しないといけない、するべきものと考えてあいさつをしてきましたが、そのお客様の謙虚さに、あー、あんな人になりたい!と心を強く打たれ、「一生懸命にあいさつがしたく」なりました。「するもの」と、「したくなるもの」の違いの大きさに、40年かかって初めて気づかせていただいたのです。
今、毎日、出会う人やお客様に、(あなたに会えてよかったです)と、心の中で思いを込めて、「ありがとうございます」とあいさつをさせていただいております。すると気分がよくなり、とてもうれしい気持ちに自分自身なります。笑いかけてくださる方も多くなりました。今まで俺は、ふんぞり返っていたんだなぁと、つくづく、気づかされました。
私はこの体験を、子供に伝えました。子供も十分理解したとみえ、明日からは出会う人ごとに、(会えてよかったですと心を込めて)あいさつを始めると言ってくれました。私にあいさつの大切さを教えてくれたのは、名もない年配の、普通の、しかし、とても謙虚な方でした。この影響は、私から子供や周囲に、さらによい形で伝わることで、人が幸せになることにつながると確信しています。
親が学ばないと伝わらないこともあります。子供を教育するのは、親の学ぶ姿勢がまずありきだということを申し上げたく、連絡させていただきました。
(飯田)
<ミセス・パンプキンからのコメント>
あいさつはタイミング
最近、読んだ新聞の記事ですが、ある企業の人事部へのインタビューで、「面接であいさつをしない学生や目を合わせない学生は、まず落とす」と書かれていました。
面接を受けにきた学生が面接官にあいさつをしない、目を合わさないという記事に一瞬、わが目を疑いましたが、ありうるだろうとすぐに納得もしました。
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