心のこもったあいさつは、威力満点 するべきあいさつより、したくなるあいさつを

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あいさつはまず型から

あいさつの習慣を重要視していない親に育てられた子供は、概してあいさつ下手です。成人すれば自然に身に付くだろうと多目にみていた子たちは、大人になってもそのままあいさつ下手でした。その重要性に気づいても、先に触れましたタイミングがつかめないようで、人間は悪くないのに、あいさつが下手なために誤解されている人も、何人か知っています。

あいさつが苦手な人へ。その克服に随分骨が折れるようですが、飯田様がおっしゃるように心を込めてあいさつするのは少し努力がいりますが、ともかくまず型としてあいさつは、素早くできるのがいちばんです。人と会えば反射的に、タイミングを迷わずまずあいさつ。数を重ねるうちにタイミングを覚え、そのうちにあいさつにも心が込められるようになると思います。

あいさつにも人格が出る

確かに年齢を重ねないと理解できないことも、多々ありますね。私が時々お世話になる、いつも忙しい有名料亭の大将と女将さんは、どんなにお店が混んでいるときでも、おふたりで客のお見送りを欠かしません。店の前に立ち、20メートルほど先の角を曲がって客の姿が見えなくなるまで、お見送りされます。

若い頃は多少の営業用のごあいさつとも受け止めて、早く大将たちがお店に戻れるよう、走って角を曲がったりして気を使いましたが、歳を重ねるとおふたりの心からのごあいさつと受け止めることができるようになり、途中と角を曲がるときに、もう一度、私共からもお礼をしてお別れできるようになりました。この心が込もったあいさつを続けておられる大将の料理、女将さんが作る店の雰囲気は、もちろん抜群です。

あるバーのマスターが、「ほかにいっぱい行く店があるが、ここに来てやっている」と毎日来る恩着せがましい常連と、「ここに来るのは本当に楽しみです。楽しく過ごせる場と時間を作ってくれていつもありがとう」と言ってくれるたまにしか来ない客を比べたら、営業的には前者がありがたいが、個人的には断然に後者の方がすてきだと言っていました。お客様は神様だそうですが、この場合の神様のあいさつにも、人格が出ますね。

人間関係の基本中の基本である“あいさつ”について考えました。特に若い方へ。会社の面接や伴侶になった人の家族にまで、「あいさつなしは性格だからわかってください」は通りませんからね!

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ミセス・パンプキン 『最強の人生相談』『一流の育て方』著者

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立命館大学卒業。ビジネスパーソン向けの家庭問題・人間関係・人生相談の専門家として、東洋経済オンラインで2012年より執筆。最新刊は『最強の人生相談』(東洋経済新報社)。息子であり、『最強の働き方』(東洋経済新報社)の著者であるムーギー・キム氏との共著に、『一流の育て方 ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる』(ダイヤモンド社)がある。ミセス・パンプキンへの相談は、こちらのメール、あるいは相談受付サイトで受け付けています。なお相談件数多数につき、過去に類似する相談があった場合には取り扱いません。ぜひ、これまでの連載をご参照ください。男性からのご相談も歓迎しております!

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