リモート時代には「メンタリング」、すなわち、経験値の高い人と低い人を「ペア」で組ませ、必要に応じてタイムリーにアドバイスできる仕組みが、不可欠である。その際、「メンター」は管理職が務めるのではなく、年次の近い先輩社員のほうが効果的だ。
アドバイスはオンライン上でも十分に可能だ。逆に、対面よりも本音を言いやすく、気楽に相談できるというメリットもある。
実際、オン・オフの切り替えができず、働きすぎや問題を抱え込んだまま孤立する社員が増えているという。
悩みを共有できる先輩社員が、在宅勤務のコツや働き方のヒントをタイムリーに伝授できれば、リモートワークのストレスを軽減できるはずだ。大事なのは「誰が誰の面倒をみるのか」を明確にすることである。
ちょっとした「無駄話」や「雑談」がもつ効果
リモートワークによって失われてしまうものもある。それはオフィスにおける「インフォーマル・コミュニケーション」である。
オフィスでの何気ない「雑談」、廊下ですれ違いざまの「立ち話」、タバコ部屋での「噂話」など、ちょっとした情報のやりとりがビジネスのヒントとなったり、人と人との垣根を取っ払う役割を担ってもいる。
オンラインでのリモートワークでは、どうしても業務上の無機質なやりとりのみに終始しがちである。機能的な仕事はサクサクと進めればいいが、それだけではどこか味気なく、人間関係をつくりにくいのも事実である。
そこで大事なのが、オンラインを活用した、「ムダ話」や「雑談」をするためのインフォーマル・コミュニケーションの「場」づくりである。
通常の業務上のやりとりではなく、「ムダ話」や「雑談」をするためだけの「場」をオンラインで設けることによって、「孤立」も「野放し」もなくなり、人と人とのつながりが濃くなっていく。
「オンラインランチ」や「オンラインおやつタイム」など、気楽に参加できるハードルの低いインフォーマル・コミュニケーションの「場」を意図的につくることが必要である。
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