八丈島の島民達が描く「離島の観光業」の未来 コロナ禍での住民たちの本音を聞く(後編)

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島の人々はさまざまなビジネスを模索しています(写真:koara73 /PIXTA)
新型コロナの感染者増が止まらない。地域によっては、新たな休業要請といった動きまで出てきているが、これまで感染者ゼロ(7月21日時点)に抑えてきた東京の離島・八丈島に暮らす人々は、ポストコロナに向けて何を考えているのだろうか。さらに、先日スタートした「GoToトラベルキャンペーン」を八丈島の人々はどう受け止めているのか。コロナとの闘いを振り返った前編に続き、リモート会合で4人の方々に島の活性化に向けての取り組みやビジョンを語っていただいた(取材日=7月8日、19日)。

今回もご登場いただくのは、リードホテル&リゾート代表取締役の歌川真哉さん、「第64代ミス八丈島」の大澤萌さん、玉石セラピーサロンやカフェを経営する玉井由木子さん、町議会議員でネイチャーガイドの岩﨑由美さんの4人。

まずは今回のコロナ禍を通じて、事業に新たな動きが出てきたという大澤さんに語ってもらった。

大澤:コロナで観光客の方が島に来ることができなくなった時期に、あるツアー会社さんから「実際のツアーが組めないからオンラインでツアー形式のものを作って島の特産品とセットにしたいのでお手伝いをしてほしい」という依頼がありました。

なるほど、その手があるかと思いましたね。島の中にもネットはやりたくないという方もいらしたのですが、この機会にということでホームページの作成や通販サイトの作成などの動きが新たに出てきていて、エンジニアの方への依頼が増えています。

オンライン上での観光ツアーを企画する

緊急事態宣言が解除された直後には、玉井さんのサロンにも変化があったという。

玉井:うちのお客さんは6~7割が観光客の方なのですが、観光客の姿自体が見えない状況がずっと続きました。それが、解除された後は週末になると一気にお客さんが増えました。島民の方です。いつも来てくださっていた方もいれば、新規の方も。「これまで我慢していたけど、やっと動けるようになったから」というわけです。

これまでネットに関心のなかった層がPCに向き合うようになり、セラピーと無縁だった住民が店を訪問するようになった。コロナ禍を通じ、ライフスタイルに変化の兆しが出てきたようだ。

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