八丈島の島民達が描く「離島の観光業」の未来 コロナ禍での住民たちの本音を聞く(後編)

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ポストコロナ時代を見据え、島の人たちの間で活性化に向けたさまざまな動きが始まろうとしている。コロナ禍はこれまでの暮らし、生き方、ビジネスを見つめ直す契機になったという声も出た。

玉井:コロナ禍でいろんな影響を受けたことで、多様性の必要性というか、変化していかないと生き残れないということをリアルに感じました。今までと同じことをやっているだけでは伸びないということがわかったし、自分がどれだけ変化できるのか、お店のコンセプトをどうアレンジしていくのかとか、考えさせられましたね。

岩﨑:八丈町のような小さな自治体は自主財源が少ないので、都や国に頼らざるをえません。

しかし、今の仕組みでは地域の実情に合った事業をしていくことが難しいことも多いです。上位自治体が地域の個性を生かすような仕組みをつくるとともに、地域自身が考える力を養うことが必要と感じています。

歌川:コロナ禍が考え直すきっかけになったという点では、そういう風に前向きにとらえないと私たちはやっていけません。ただし、今後の島の活性化を考えたとき、岩﨑さんも言っていたように、観光だけでなく生活路線でもある航空便を、従来の1日3便維持していくことが欠かせません。そこは航空会社だけなく国と都にも考えていただきたいですね。

GoToトラベルの東京外し

ところが、このリモート会合から約1週間後の16日、政府は観光支援策「Go To トラベル」の実施内容を軌道修正し、「東京外し」を発表した。東京だけでなく全国各地で異論、反発の声が上がっている。

17-19日に実施された共同通信社の世論調査では、「全面延期すべきだった」が62・7%、「他に感染が拡大する地域も除外」が17%と、政府の迷走に対する不信感が鮮明になった。突然の「東京外し」の対象には、感染者ゼロの八丈島も含まれる。感染者が1500人以上出ている新宿区と同じ扱いだ。

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