NASAで学んだ“引っ張りだこ”の極意 NASA JPL内「プチ失業」からの学び(自分売り込み編)

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“小野雅裕”の売り込み方

僕のケースにおいては、僕自身のやり方がまずかった点が大きかったが、たとえそうでなくても、思いがけず自分のプロジェクトが切られてしまうことは珍しくない。

だから、現在持っている仕事を断固守ろうとするのは、あまり賢い方法ではない。食いっぱぐれないための最も確実な方法は、あちらこちらのプロジェクトからつねに引っ張りだこの人材になることである。つまり、「この仕事を小野雅裕に頼みたい」と思ってくれる人を所内に多く持つことである。どうすればそうなれるかということを、あの失敗体験を機に僕はいろいろと考え試し続け、現在もその試行錯誤は続いている。今僕が考え、頑張っているのは以下の4点である。

1) 現在のプロジェクトで成果を出す:

これが最も確実な方法だ。今、持っている仕事を精いっぱい頑張って能力をアピールし、プロジェクトのマネジャーに気に入ってもらい、次に別のプロジェクトが来たときも自分に声がかかるようにするのだ。しかしこれだけでは広がりに欠ける。つまり、自分を認めてくれる人の人数はあまり増えない。そこで以下の2点が必要となる。

2)「Xなら小野」というXを持つ:

「僕はXが専門です」と言うのはたやすい。たとえば、「僕はリスク抑制型制御が専門です」と言うことなら誰でもできる。だが、「リスク抑制型制御なら小野だ」と他人に思ってもらうのはたやすいことではない。しかしそうならないと、たとえリスク抑制型制御を必要とする仕事があっても、僕に声がかからない。そのためには、Xにおいて成果を積み上げることだけではなく、X、つまり自分をブランディングする分野をうまく選ぶ必要がある。

3) いろんな人と話す:

「Xなら誰」という一覧表が所内に共有されているわけではもちろんない。それはそれぞれの所員の頭の中に記憶されているのみだ。だから、できるだけ多くの人に「Xなら小野」であることを知ってもらう必要がある。僕はいろんな人にアポを取り、ミーティングをしてもらったり、昼食を一緒にしたりして、「Xなら小野」であることを覚えてもらおうとした。これは非常に打率の低い作業ではあるのだが、下手な鉄砲も数打てば当たる。僕は今までにこの方法で2つ、小さな仕事を得た。

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