ポストコロナ、小売業の未来は高品質化にあり

三越伊勢丹「前社長」が語る脱インバウンド

新型コロナウイルスの影響で羽田空港国際線ターミナルは観光客の姿が消えた。写真は2020年3月撮影(撮影:梅谷秀司)
新型コロナウイルスの感染拡大によって、日本人の消費行動は一変した。街中にあふれていた外国人観光客の姿も消え、百貨店をはじめとする小売業は大きな打撃を被った。
コロナ収束後も以前とは同じ生活様式に戻ることが見込めない中、小売業やサービス業が生き残っていくにはどうすればよいのか。
三越伊勢丹ホールディングス社長を退任後、羽田空港のターミナルを運営する日本空港ビルデングの副社長へ転身、子会社の羽田未来総合研究所社長に就任した大西洋氏に聞いた。

羽田の立地を生かして地方を創生

――羽田未来総合研究所は2年前の2018年7月2日に設立されました。どのような目的があったのですか。

日本空港ビルデングは施設管理運営業が3分の1でリテール事業が3分の2。これが10年後にどうなっているかは誰もわからないし、このままずっと残っているということはまずない。その中で将来の収益の柱を担えるものが会社の外にあったほうが動きやすいと思い、子会社を作ってもらった。

日本のGDPの半分は地方が稼いでいるので、将来の日本経済の発展のために地方創生をやりたいというのがあった。地域に眠っているいいモノがちゃんと認められて、エグジット(収益化)されていかないと、地方の産業は廃れてしまう。羽田の立地を生かして(地方のいいモノを)紹介し、ブランディングするようなお手伝いを2年間やってきた。

――羽田空港という物流・交通の結節点を生かし、地方創生を盛り上げていく狙いですね。

あとは、まだまだ形になっていないが、日本のアートや文化を産業化していきたい。今後、人口が減少していく日本はアメリカと中国に国力では勝てない。われわれの一回り上の世代が敗戦後、努力して経済大国にしてきたようなやり方では復活できない。

何をもって日本を成長させていくかというと、日本が誇る職人たちの技術力、素材力などの生活文化産業だ。1つの産業に育て、輸出に乗せていくことが重要だ。ビジネスモデルのポテンシャルがあるものは逃さずに具現化したいと、羽田未来総研では現在、約20のプロジェクトをやっている。

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