京急vs.塚田農場、品川ビル立ち退き戦争勃発

ドル箱店をめぐり、凄絶な攻防戦が始まった

品川駅から徒歩1分の好立地にある京急第10ビル(写真左)で、立ち退き訴訟が起きている(記者撮影)

東京の玄関口、品川駅。東海道新幹線や羽田空港からの客人を迎えるだけでなく、2024年度には山手線の新たな駅が本開業し、2027年度にはリニア中央新幹線の開通も計画されている。駅周辺では大規模な再開発も進められており、東京五輪後も大きく姿を変えそうだ。

こうした華やかな開発計画の陰で、不穏な動きが見られる。

立ち退き訴訟が勃発

品川駅の高輪口(西口)に面して立つ「京急第10ビル」。築年数は40年以上とやや古いが、抜群の立地を生かし、地下階には飲食店がひしめき合い、平日・休日問わずにぎわいを見せる。

このビルをめぐって、所有者である京浜急行電鉄(京急)がテナントを相手取り、立て続けに訴訟を起こしていたことがわかった。東洋経済の取材によれば、2017年11月から今年4月にかけて、5件の建物明け渡し訴訟を東京地方裁判所に申し立てている。

訴訟をしてまで京急がテナントを退去させたいのは、再開発計画を進めるうえでビルの解体が不可欠だからだ。品川再開発において、京急は泉岳寺駅から新馬場駅間を立体交差化する計画を進めている。

中でも区間の途中に位置する品川駅では、大掛かりな工事が行われる予定だ。現在の品川駅はJR各線のホームが地上にある一方、京急本線のホームは高架上にある。京急は再開発によって京急本線のホームを地上に移設し、JRと同じ高さにしたい考えだ。両線の乗り換えが便利になるほか、高架上の京急のホームに阻まれていた東西自由通路を西口方面へと延ばすことも可能になる。

移設に当たって、駅の真横に立つ第10ビルの存在は「当社線の地平化に支障することが位置的に避けられず、撤去が必須となる」(京急)。ビルを解体して場所を空けないかぎりホームの移設ができないため、京急としては入居するテナントに場所を空けてもらう必要があった。

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