立ち退きに当たっては、以前から水面下で動きがあった。京急が第10ビルの建物および土地を別の不動産会社から取得したのは2006年のこと。京急関係者によれば、「ビル購入時点で再開発を意識しており、駅前周辺の『四隅』を押さえたかった」という。
京急は高輪口に多数の不動産を所有しているが、こと駅前については、第10ビルの場所が空白地帯として残っていた。
取得からちょうど10年、遅くとも2016年秋から地下の飲食店を含む34のテナントと賃貸借契約の終了と立ち退きについて交渉を開始した。1つ、また1つと退去の容易な定期借家契約へと切り替え、今年に入ってからは計20以上のテナントから立ち退きの同意が得られた。
居酒屋にとって品川はドル箱
ただ、一部のテナントが立ち退きに難色を示した。京急は規模に応じた立ち退き料として1000万円から1億5000万円を提示し、移転先の物件探しにも奔走。だが移転補償や移転先の物件について折り合えず、賃貸契約期間は更新されぬままテナントが営業を続ける事態となった。そしてとうとう、決着は法廷へと持ち込まれた。
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