ボブ・ディラン「コロナの捉え方は無数にある」

インタビューで語った新譜、死、特別な存在…

──「アイ・コンテイン・マルチチュード」には、驚くほど自伝的な要素がありますね。最後の2つのヴァース(詩句)には、かたくなな禁欲主義がにじみでていますが、それ以外の部分はユーモラスな告白のようです。ご自身や人間の性質の中の、相反する感情と格闘するのは楽しかったですか?

そんなに格闘する必要はなかったよ。何というか、意識の流れのフレーズを積み上げて、そのまま放っておいて、そこから取り出してくる感じかな。この曲に関して言うと、最後のいくつかのヴァースが先に思い浮かんだ。だから、この曲はそこを起点に進んできた。この曲が生まれる契機になったのは、一目瞭然だが、タイトルの1行だ。

この曲は直感的に、ある種のトランス状態で書いた曲の1つで、最近の曲はほとんどそんな感じでつくっている。歌詞は実際のもの、現実であって、比喩ではない。楽曲は自身(曲自体)のことがわかっているように思うし、私がその曲を、声の面でもリズムの面でも歌えることがわかっているのだと思う。曲はある意味でひとりでに書きあがって、私がそれを歌うと信じている。

一緒に演奏するとすばらしい

──チャーリー・セクストンは1999年から数年間、あなたと一緒にプレイし、2009年から再び演奏に参加しています。彼がそれほど特別なプレーヤーなのはなぜですか。まるで、2人はお互いの心が読めるような感じがします。

チャーリーは誰の心でも読めるよ。だけど、チャーリーは曲も作るし、歌も歌う。ギターはものすごい勢いで弾く。私の曲で、チャーリーが自分の一部だと思わない曲はないし、一緒に演奏するとすばらしいんだ。このレコードで、12小節のブルース構造の曲は3曲で、「偽預言者」はそのうちの1曲だが、チャーリーはどの曲もいいよ。

腕前を見せびらかすようなプレーヤーじゃないが、やろうと思えばそれもできる。演奏はとても節度があるが、情熱的にやりたいときにはそうもできるんだ。とても伝統的なスタイルの演奏で、昔ながらの弾き方。彼は曲を攻めるのではなくて、その中に身を置いている。私と演奏するときは、いつもそんな感じだ。

──ここ数カ月の外出制限期間中は、マリブでどのように過ごしていたのですか? 溶接(によるアート作品の制作)や絵を描いたりできましたか?

ああ、少しね。

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