「住みよさランキング2020」九州沖縄・中四国編 全国的にも安心度の高い都市が上位にズラリ

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続いて、中国・四国ブロックを見ていく。

同ブロックで1位になったのは、倉吉市(鳥取県)だ。室町時代は城下町として、江戸時代には陣屋町として栄えた自治体で、現在も当時の街並みが残り、観光スポットになっている。

ランキングでは安心度(全国6位)と利便度(同56位)と高く、全国総合評価でも6位にランクインした。安心度の6つの指標すべてが偏差値50を超えていて、なかでも「老年人口当たり介護老人福祉・保健施設定員数」は同18位と上位にある。

同じ鳥取県の米子市が、倉吉市に続くブロック第2位に。中国横断自動車道やJR3線、米子鬼太郎空港があり、交通拠点性が高い都市だ。

1位の倉吉市と同じように、安心度(全国67位)と利便度(同94位)の評価が高く、「20~39歳女性人口当たり0~4歳児数」は倉吉市よりも高かった。ちなみに、鳥取県内の市はすべて「子ども医療費」が所得制限なしで18歳まで助成されており、安心度を押し上げている。

ブロック3位は、四万十市(高知県)。県内市町村で2番目の面積を持ち、市域の8割以上が森林・原野という、自然豊かな自治体だ。

安心度(全国29位)と利便度(同16位)が非常に高く、安心度の「人口当たり病院・一般診療所病床数」と「老年人口当たり介護老人福祉・保健施設定員数」「20~39歳女性人口当たり0~4歳児数」「人口当たり交通事故件数」の4指標が全国100位内に入った。利便度では4指標のうち3つが同100位以内で、「人口当たり飲食店数」は同11位だった。

県庁所在地以外の都市が各県の上位に

鳥取県と高知県以外を見ていこう。

島根県で1位になったのは、出雲大社をはじめとする歴史・文化遺産がある出雲市。中国・四国ブロックでは7位に入った。4つのカテゴリーすべてが全国200位台で、バランスのよさが特徴だ。詳細に見てみると、快適度の「転出入人口比率」と富裕度の「1住宅当たり延べ床面積」が同20位台に入っている。

岡山県の1位は、三井E&S造船(旧・三井造船)の企業城下町として発展してきた玉野市だ。快適度が全国で15位となり、とりわけ「都市計画区域人口当たり都市公園面積」で同26位と上位にある。

広島県で1位になったのは大竹市で、山口県岩国市とともに岩国・大竹コンビナートを形成している工業都市だ。4つのカテゴリーがどれも評価が高めで、全国総合ランキングでも42位に入っている。最も評価が高い指標は「人口当たり病院・一般診療所病床数」で、全国26位となった。

山口県の1位は下松市だ。昔は製塩業で潤い、現在は日立製作所など大手企業が進出し、鉄道車両や石油精製、造船などの臨海工業都市として発展してきた。利便度(全国44位)と快適度(同24位)が高く、「水道料金」は全国で5番目の低さであった。

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