坂本幸雄・エルピーダメモリ社長兼CEO--DRAMメーカーは将来、世界で2社しか生き残れない

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--生き残りといっても再編だけで半導体業界がうまくいきますか。

日立と三菱がルネサスを作った当時は世界3位でしたが、今は世界8位です。今度また世界3位になっても、そのうち世界8位になります。一緒になるというだけでは全然意味がない。違う文化が入ってきて非常に複雑になる。一緒になってどのくらい経営効率を上げるのか、どこの製品に特化してどのくらい経営効率を上げていくのか、その結果、どのくらい利益を上げるのか、そこに目を向けなかったら、一緒になっても生き残ってはいけない。

--今後のDRAM価格をどのようにごらんになっていますか。

今年は悪くないと思います。業界全体の投資動向を考えると、DRAMの生産能力はそんなに増えません。多分、今年の1~3月はちょっと価格が落ちると思いますが、そこからまた上がってくる。

今年の平均価格は悪くても1・8ドルくらい。業界で一般的に40ナノメートルのプロセスなら製造原価は1ドル前後といわれています。1・8ドルだと、オーバーヘッドコストなどを考えても、最終利益で十数%はとれると思います。でも、最先端技術を結集した製品が1ドル台では、水より安い。本当にがっくりします。

--パソコンOSのバージョンアップごとにメモリ容量が増えていくビジネスモデルが行き詰まってきています。DRAM産業の将来性がないという声もあります。

これまでのモデルの将来性はないかもしれません。しかし、DRAMの中身が変わってくるのではないでしょうか。環境問題が重要になる中、低消費電力の半導体を作る会社が生き残っていく。必ずしもインテルがいいポジションにいるとは思いません。ネットPCではクアルコムなどが入り始めています。DRAMでも低消費電力が重要な要素になると思います。

■エルピーダメモリの業績予想、会社概要はこちら


(聞き手:鈴木雅幸、山田雄大 撮影:尾形文繁 =週刊東洋経済)

さかもと・ゆきお
1947年生まれ。70年日本体育大学卒業、日本テキサス・インスツルメンツ入社。91年取締役、93年副社長。97年に神戸製鋼所(情報エレクトロニクス本部副本部長)、2000年日本ファウンドリー(現UMCジャパン)社長。02年11月エルピーダメモリ社長、03年1月から現職。

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