坂本幸雄・エルピーダメモリ社長兼CEO--DRAMメーカーは将来、世界で2社しか生き残れない

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小


 問題はパワーチップ。残り50%の生産能力分をマーケットに安売りするかどうか。

--坂本さんは異色経営者と称されています。公的資金の注入はあったにせよ、リーマンショック以降の危機を乗り切ることができたのは、坂本社長だからこそ、ですか。

いや、誰でもできたんじゃないでしょうか。不幸にも(DRAM5位だった)キマンダや(フラッシュメモリ大手の)スパンションは倒産しましたが。エルピーダはいろんな方々がサポートしてくれたおかげで生き残ることができた。

本当の危機は6カ月ぐらいだったと思います。その6カ月を耐えられるかが生きるか死ぬかの差だった。

韓国企業も銀行がサポートした。台湾や韓国は基本的に企業が潰れない構図ができているのでしょう。

--ならば、DRAM業界が2社に集約されることはなく、今後も乱売合戦が続いていくのでは。

各社ともバランスシートが傷んでいるので、乱戦が続くことは考えづらい。潰れないが生殺しみたいな状態で、市況がよくなるまで銀行がおカネを貸さない。市況がよくなってからおカネを借りて投資しても、装置が立ち上がるときには一世代遅れています。そうなってしまう台湾を僕らでサポートしよう、と。

エルピーダが台湾企業を取り込んだことで合計シェアは20%強と報じられていますが、09年7~9月の台湾勢の稼働率はまだ50%以下、多分30%ぐらいです。潜在的なキャパシティを見てください。


関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事