坂本幸雄・エルピーダメモリ社長兼CEO--DRAMメーカーは将来、世界で2社しか生き残れない

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坂本幸雄・エルピーダメモリ社長兼CEO--DRAMメーカーは将来、世界で2社しか生き残れない

国内唯一のDRAM(メモリ半導体の一種)メーカー、エルピーダメモリ。NECと日立製作所のDRAM事業を統合し、1999年に誕生した(三菱電機の同事業も合流)同社を2002年から率いるのが坂本幸雄社長。

もともとDRAMは業績の浮き沈みが激しい産業だが、リーマンショック以降に製品価格が暴落し業界全体が大赤字に。このため、09年に産活法(産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法)による公的資金の出資をエルピーダは受け入れた。危機脱出に向けて采配を振るう坂本社長に、半導体業界の展望を聞いた。

--公的資金の支援要請に躊躇はありませんでしたか。

何もなかった。自分たちが生き残って、次への投資ができるということを考えるべきで、プライドのためにそれ(公的資金の受け入れ)をやらないという選択肢はない。

確かにうちは公的資金300億円を入れてもらいました。でも、間接的に公的資金の支援を多くの企業も受けているのではないでしょうか。たとえばエコポイントとか……。

--エコカー減税もそうですね。

そもそも政府とビジネスをしている企業は利益が保証されている。そういった補助のほうがはるかに大きいのに、それに対しては誰も何も言わない。エルピーダという固有名詞がつくと批判されやすいだけです。

政府、特に経済産業省が信じられないぐらいに協力的でした。日本の半導体、特にDRAMの灯を消さないことを真剣に考えて一緒に行動してくれました。

--エルピーダと台湾勢との連合構築に努力されてきました。

将来、DRAM産業では、2社しか生き残れないという仮説を立てました。そうするとエルピーダ単独では無理。生産技術や資金面で柔軟性を持つためにも台湾の会社と連合を組んだほうがいい。台湾にはDRAM会社が6社あるが、6社とも小さく、かつ特許を持っていません。単独で生き残ることが難しいのでDRAM会社を再編統合したほうがいい。それで08年11月から一時期は隔週で台湾へ行って交渉しました。

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