坂本幸雄・エルピーダメモリ社長兼CEO--DRAMメーカーは将来、世界で2社しか生き残れない
--価格競争はよくない、と。
必要な競争はやるべきです。しかし、たかだかキャパシティが5%とか10%余っただけで、価格が15分の1になる。これはもうビジネスのレベルを超えています。
--日台連合ですが、台湾側は初めから乗り気だったのですか。
08年暮れに台湾の会社との統合プランを作りました。(エルピーダが出資する)レックスチップが台湾側のプラットフォームになって、段階的に台湾のDRAM会社を買っていく。エルピーダはレックスチップとより深い提携をするのか、合併させるのか、将来を見ながら決めていきましょう、というプランです。
それを台湾政府は非常にいいプランだ、と。ただ、ある会社のCEOがそこにサインしなかった。そのためにTIMC(台湾政府が出資するDRAM統括会社)ができた。その人がサインしていれば、多分そのプランは通り、相当大きなおカネも出てきたと思います。
--台湾政府からエルピーダへの出資はまだ。TIMCによる台湾企業への出資も行われていません。出資が難しいとなると、台湾のTIMCから200億円の出資を受け入れるとした産活法認定時の枠組みとは若干違ってきますね。
そうですね。今は市況が改善し、キャッシュポジションが潤沢になりつつある。だから、仮にTIMCからおカネが入らなかったとしても、うちはやっていける。もちろん、資金が入れば入るほどいいですが。
--資金はともかく、目指した日台連合はできるのでしょうか。
できると思います。プロモスとウィンボンドに対してはエルピーダが技術提供し、彼らはうちのためにファウンドリー(半導体チップの受託製造)をやる。レックスチップはうちが64%の株を保有していますし、パワーチップも生産したDRAMの50%をエルピーダに出す契約です。だから、今のスキームで十分やっていけます。