坂本幸雄・エルピーダメモリ社長兼CEO--DRAMメーカーは将来、世界で2社しか生き残れない
--台湾の設備が全部動くと日台連合のシェアはどのくらいに。
サムスンに匹敵するDRAMのキャパシティができる。そうなると、日台連合とサムスン陣営とで、本当の意味で技術競争が起きてくると思います。
--サムスンの強みをどう分析なさっていますか。
R&D(研究開発)です。彼らのよさは、1カ所ですべて作ること。オペレーションの効率がいい。それとR&Dの人間が豊富にいます。多分うちの10倍います。サムスンに対抗するためには台湾でもR&Dをやっていく必要があります。
--エルピーダ以外でも、日本の半導体産業は苦戦しています。
90年代初頭は日本の半導体メーカーの全シェアは50%あったのが今では20%しかない。
--4月には、NECエレクトロニクスと、ルネサス テクノロジ(日立製作所と三菱電機の合弁)が統合しますが……。
会社を切り出すときにいちばん厳しい状態で切り出さないと、大きな変化はできません。親会社からおカネを十分にもらって装置もただでもらって、というようなことをやっていたら世界の中で競争していけない。親会社は子会社をコントロールできると思うし、子会社は親会社に頼る。プライベートエクイティなり、ほかの資本を入れたほうがいい。
肝心なのは、ビジネスモデルを決めて、コア製品に絞り込み、それ以外は売ること。残した会社は初年度から黒字になるビジネスモデルを作らないといけない。海外の半導体メーカーは、半導体以外何もない。それに比べて温室で仕事をしている日本の半導体メーカーは、圧倒的に劣っています。