「脱サラ」で失敗する40代・成功する40代の差 どんな商売も「泥臭く・ダークな面」がある

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少し補足すると、プロコンには、自治体や公的機関と連携して中小企業を支援するタイプと、連携をせず自力で中堅・大企業にサービスを提供するタイプがあります。

前者の場合、自治体・公的機関からの報酬は1日数万円と安いので、年間150日以上稼働する「売れっ子コンサルタント」(前後の手間がかかり、150日以上稼働なら売れっ子です)でも、年収は1000万円に達しません。

こうした公的分野には、年金をもらいながらボランティア的に公的診断をお手伝いする高齢のコンサルタントが多く、業界では“年金診断士”とも呼ばれています。

筆者:独立しようか、迷っているということですが。
小泉さん:ええ、やっぱりコロナのこの時期ですから。
筆者:奥さんが反対されているとか。
小泉さん:いえ、妻は「あなたの好きなようにすれば」と言ってくれています。コロナでも、それは変わっていません。
筆者:時期ということでは、いまは独立開業に非常によい時期だと思いますよ。
小泉さん:えっ、そうなんですか?

「コンサル独立」を後押しする3つの理由

私は、最近の独立開業を巡る環境変化について、以下3点を説明しました。

1:補助金バブルの恩恵
近年、公的分野は活況を呈していましたが(「コンサルばかり儲けさせる『国の補助金』の問題点」参照)、今回のコロナでさらに仕事が増え、バブル化しています。

各種補助金や緊急融資には審査業務がつきものですが、政府・公的機関の手が回らず、全国の中小企業診断士が審査業務などを請け負っています。公的分野を中心に活動するなら、当面コロナによる“補助金バブル”の恩恵を享受することができます。

2:専門職のアウトソーシング化
今後、民間企業でもコンサルタントの起用が増えます。今回コロナで企業経営者は、休業してもクビにできず、給料を払い続けねばならない正社員の重荷を思い知らされました。

現在、企業は単純・周辺的な業務を外部人材に委託していますが、今後は専門的な業務や経営企画など中核的な業務でコンサルタントを積極的に活用するようになるでしょう(「正社員激減』コロナ不況が招く働き方の大変革」参照)。

3:ライバルの減少
パート・派遣などの雇用不安が深刻になり、“サラリーマン最強伝説”が復活しています。そのため、まさに小泉さんのように優秀な企業内診断士が独立開業を躊躇するようになっています。これはライバルのプロコンが減ることを意味し、独立開業した後の競争を勝ち抜くためには朗報です。

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