「正社員激減」コロナ不況が招く働き方の大変革 「正規と非正規の格差」が解消される期待も

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近い将来、コロナ不況が招く「日本の雇用」の大変革とは?(写真:Fast&Slow/PIXTA)

新型コロナウイルスの影響で、非正規労働者の解雇・雇い止め、正社員のリストラ、そして失業と大揺れの「日本の雇用」。今後、失業率が上がり、賃金が下がることは間違いありませんが、日本の雇用はどう変わるのでしょうか?

今回は、コロナが招く雇用への影響とアフターコロナで起こる雇用の構造的な変化について解説します。

急速に悪化しつつある雇用環境

4月の完全失業率は2.6%で、2ヵ月連続の悪化。2019年平均2.4%から0.2%上昇しました。

日本では正社員の雇用が手厚く守られているので、アメリカのような惨状(5月上旬に失業率17.2%、失業者数2507万人に達した)になることはまずありません。それでも完全失業率が6~7%まで上昇し、300万人以上が失業する、といった調査機関の見通しが出始めています。

一般に企業は、以下のような方法で雇用量を調整します。順序もだいたい番号の通りです(2~5は業種や経営状態などで異なります)。

① 残業抑制
② 非正規労働者の解雇・雇い止め
③ 採用抑制
④ 休業
⑤ 希望退職の募集など正社員のリストラ
⑥ 倒産・廃業などによる解雇

2月からコロナの影響が本格化し、早速①残業抑制が行われ、続いて②パート・派遣など非正規労働者が調整のターゲットになりました。

4月からは航空・ホテルなどコロナが直撃した業種を中心に③採用抑制や④休業、さらに⑤正社員のリストラに踏み込む会社が増えています。

6月以降、⑥倒産・廃業による解雇が広がるか、経済活動の再開で踏みとどまれるか、注目されています。

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