「脱サラ」で失敗する40代・成功する40代の差 どんな商売も「泥臭く・ダークな面」がある

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筆者:やりたいことが明確で、タイミングもベストで、失敗しても一家離散という心配がない。ならば、小泉さんは何を懸念しているんでしょうか?
小泉さん:……。
筆者:やっぱり最初の部分ですかね。
小泉さん:最初の部分と言いますと?
筆者:中小企業に貢献したい、というそもそもの動機のところです。
小泉さん:中小企業の社長の愚痴を聴くのが本当に社会貢献になるのか、ということですか?
筆者:いえ、それはとても大切なことです。それよりも公的な補助金・助成金の類ですね。
小泉さん:たしかに、知り合いのコンサルタントが「国から補助金が出ますよ、コンサルを受けませんか」と必死に売り込んでいるのを見ると、疑問に感じますね。
筆者:小泉さんは公的分野=社会貢献というイメージをお持ちのようですが、なかなか微妙なところです。
小泉さん:言われてみると、いまの仕事と比べて公的な仕事が理想だと、美化しすぎていたかもしれません。
筆者:その辺りに薄々気づいていたというのが、躊躇の正体かもしれませんね。

独立開業する動機は人それぞれですが、中高年の場合、小泉さんのように、自分の知識・経験を生かして社会に貢献したい、というケースがよくあります。

独立にあたって注意したい「2つのこと」

ここで注意したいのが、「隣の芝生」と「リアリティショック」です。颯爽と脱サラし、知識・経験を生かして中小企業を支援し、社会に貢献する。会社員にとって「隣の芝生」は青く見えますが、何事も商売としてやる限り、泥臭い部分やダークな部分があります。そして、独立開業した人は、理想と現実の違いに少なからず「リアリティショック」を受けます。

と、厳しい現実を紹介しましたが、実際に独立開業し、大活躍し、社会に貢献しているコンサルタントがいるのも事実です。また、中高年が培った知識・経験を中小企業に還元するというのは、いま強く求められていることです。

ぜひやりたいということがあり、失敗した場合の備えもある人は、やりたいことを美化せず、積極的に独立開業に挑戦してほしいものです。

日沖 健 経営コンサルタント

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ひおき たけし / Takeshi Hioki

日沖コンサルティング事務所代表。1965年、愛知県生まれ。慶應義塾大学商学部卒業。日本石油(現・ENEOS)で社長室、財務部、シンガポール現地法人、IR室などに勤務し、2002年より現職。著書に『変革するマネジメント』(千倉書房)、『歴史でわかる!リーダーの器』(産業能率大学出版部)など多数。

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