在宅→職場「やる気が出てこない人」が当然の訳 働きが鈍った脳を慣らしていくのは時間要する

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急に切り替えられないのも無理はありません(写真:metamorworks/iStock)

緊急事態宣言が全国で解除されてから3週間。徐々に日常生活を取り戻しつつあるものの、在宅勤務を続けている人も少なくないでしょう。あるいは様子を見ながら週1~2回の出勤、時差通勤など、まだまだ工夫をしている企業が多いことと思います。

電車に揺られ、マスクを着用し、会社に着いても消毒、検温など「新しい生活様式」に馴染んで行かなくてはなりません。

「なんとなくやる気が出ないな~」という人がいると思うのですが、脳科学的見地からすると、当然です。

久しぶりの出勤、そりゃやる気も出ないもの

ステイホーム、リモートワークにやっと慣れた、と思ったら、バックtoオフィス。いやいや、ちょっと待ってください。そんなに急に切り替えられる人がどれだけいるか。「どうもやる気が起きない」「ふわふわした感覚」と感じている人は、たいてい脳の働きが弱くなっています。

私は職業柄、これまでたくさんの人とお会いし、その方の脳を診断・治療してきました。その経験もあって、初対面でも顔つきを見るとその人の脳の状態がだいたい予想がつきます。

拙著『ぐうたらな自分を変える教科書 やる気が出る脳』でも詳しく解説していますが、行動するエネルギーと脳の働きは表裏一体なので、脳が働いていないと行動もできません。

考えてもみてください。ステイホーム中、いったいどれくらい脳を使っていたでしょうか。

私が提唱している脳番地「思考系」「視覚系」「聴覚系」「理解系」「伝達系」「運動系」「記憶系」「感情系」の8つを、ステイホーム期間に、普段と同じくらい使えていた人はほとんどいないはずです。

とくに「運動系」。家でできるヨガやフィットネスが注目を浴びましたが、日頃ランニングをしている人や、忙しく外を飛び回っている人であれば、運動の質も量も違い過ぎます。

テレビを見る時間が増えたから「視覚系」は普段より使ったはず、と思うかもしれませんが、それだけでは実際に人と会う場合と比べて脳を使う範囲が限られます。一方的に情報を得ているだけでは、自分がしゃべるチャンスがないので、目や口を動かす筋肉(運動系)も、人に伝える力・コミュニケーション能力(伝達系)も衰えてしまいます。

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