緊急事態宣言下で多くの実店舗が一時休業し、ECを利用する消費者が増えたことで、今後ECでの購買は一段と広がる可能性も指摘されている。そうした期待感とともに、時代の流れに合致した独自性の高いマーケティング手法が、ロコンドに対する株式市場の再評価につながったようだ。
ロコンドは2020年4月に千葉県八千代市の新倉庫に物流拠点を移転・拡張し、入庫作業を自動化する設備も導入した。足元では、コロナ禍でECの重要性を再認識した多くの靴ブランドから商品在庫が集まってきているという。今後、取り扱う商品の数量が急増した場合にも効率的に対応できる体制を整えている。
熾烈な競争が待ち受けている
さらに5月1日には田中社長自らがYoutube上にチャンネルを設けて、ユーチューバーとしてデビューした。田中社長の生い立ちから社長に就任するまでの変遷を語ったり、ヒカルとのコラボ企画でテレビCMを制作した際の裏話を明かしたりしている。
自身のユーチューバーデビューについて、田中社長は「念入りな計画はなく多少の思いつきで始めた」としながらも、「これからはECモールでも『体験を売る』価値が求められる時代が来る。Youtubeでのロコンドの存在感を高めていきたい」と強調する。
国内のファッションECでは、「ゾゾタウン」を運営するZOZOが2019年にZホールディングスの傘下に入り、ヤフーや「ペイペイモール」との連携を強化する。楽天も、ファッション専門サイトを昨年秋にリニューアル。こういった大手プレーヤーの攻勢が強まり、出店ブランドや顧客の囲い込みでは熾烈な競争が待ち受ける。
動画を駆使した消費者との「つながり」や、社長自らもユーチューバーになって発信力を高める「意外性」を武器に、成長を維持できるのか。今後も持続性のある企画を生み出し、独自路線を貫けるかが、ロコンド飛躍のカギを握る。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら