瀧本哲史「社会を変えるのはいつの世も若者だ」 明治維新は20代・30代主導で成し遂げられた

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ちなみに福沢諭吉は『瘠我慢の説』という本で、「うまく転職して立身出世したズルいやつ、いるよな。あいつだよ、あいつ!」って感じで榎本を痛烈に批判しています。

僕も、東大法学部の助手からマッキンゼーに転職して、今はエンジェル投資家で大学でも教えているという、まわりから見るとわけのわからない経歴で立場をころころ変えているわけですが、榎本武揚を見習ったところはあるかもしれません(笑)。

30代でも国のトップになれる

それで話を戻すと、つまり僕は、これからの日本も若い人が政治や政策立案に積極的に関わって、30代のうちに国政の中心を担うようにならなければいけないと考えているんですね。

イギリス現首相のキャメロンという人は、保守党の党首もやっていたんですが、党首になったのは39歳です。保守党っていうのは、日本でいう自民党のような政権を担ってきたメジャー政党でして、そこの党首を30代の人間が務めていたんです。

政治家でいえば、韓国大統領の李明博(イ・ミョンバク)も、経歴が面白いんですよ。彼は現代建設という、入社当時は数十人しか従業員がいなかった零細企業を、17万人が働く大企業に成長させた功績で大統領になった人物です。

彼は大学で学生運動にのめり込みすぎて、就活でどこも採用してくれなかったんですね。それで彼は、どうしたと思います? なんとこのひとは、恐ろしいことに、当時の大統領、朴正熙(パク・チョンヒ)に手紙を出すという暴挙に出たんです。

「韓国という国は、若い人間が政府に反対したら、もう二度と立ち上がれない。そんな悲惨な国でいいんでしょうか?」みたいに直訴のメッセージを送りつけたら、それが大きな話題になって、その話を聞いた現代建設の社長が「こいつは何かすごいヤツっぽいから採ろう」と言って採用したんです。

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