瀧本哲史「社会を変えるのはいつの世も若者だ」 明治維新は20代・30代主導で成し遂げられた

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こうして、世の中は地動説に転換しました。残念なことに、これがパラダイムシフトの正体です。身も蓋もないんです。

新しくて正しい理論は、いかにそれが正しくても、古くて間違った理論を一瞬で駆逐するようなことはなくてですね、50年とか100年とか、すごい長い時間をかけて、結果論としてしかパラダイムはシフトしないんですよ。

それでも「希望」がある理由

でもこれ、逆に考えると、めちゃくちゃ希望だと思いませんか?

『2020年6月30日にまたここで会おう 瀧本哲史伝説の東大講義』(星海社)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

「世の中を変えたい」と考える人はいつの時代も多いですけど、なかなか世の中って思うようには変わらないですよね。選挙に行って一票を投じても変わった実感はぜんぜん得られないし、努力して上の世代の考え方を変えようとしても、徒労に終わるばかりです。

で、そこで「やっぱり世の中は変わらない」って諦めちゃう若い人も多いんですが、みなさんが新しくて正しい考え方を選べば、最初は少数派ですが、何十年も経って世代が交代さえすれば、必ずパラダイムシフトは起こせるってことなんですね。

つまり、世の中が変わるかどうかっていうのは、若者であるみなさんとみなさんに続く世代が、これからどういう選択をするか、どういう「学派」をつくっていくか、で決まるんですよ。

たしかに時間はかかりますけど、下の世代が正しい選択をしていけば、いつか必ず世の中は変わるんです。

だから僕は、おじさん、おばさんたちではなく、わざわざ次世代に向けて、メッセージを送っているわけです。

瀧本 哲史 エンジェル投資家

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たきもと てつふみ

京都大学客員准教授、エンジェル投資家。東京大学法学部を卒業後、東京大学大学院法学政治学研究科助手を経て、マッキンゼーに入社。3年で独立し、日本交通の経営再建などを手がける。その後、エンジェル投資家として活動しながら、京都大学では「交渉論」「意思決定論」「起業論」の授業を担当し人気講義に。「ディベート甲子園」を主催する全国教室ディベート連盟事務局。著著に『僕は君たちに武器を配りたい』『武器としての決断思考』『武器としての交渉思考』がある。

【2019年8月16日18時00分編集部追記】2019年8月10日、瀧本哲史さんは逝去されました。ご逝去の報に接し、心から哀悼の意を捧げます。

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