瀧本哲史「社会を変えるのはいつの世も若者だ」 明治維新は20代・30代主導で成し遂げられた
こうして、世の中は地動説に転換しました。残念なことに、これがパラダイムシフトの正体です。身も蓋もないんです。
新しくて正しい理論は、いかにそれが正しくても、古くて間違った理論を一瞬で駆逐するようなことはなくてですね、50年とか100年とか、すごい長い時間をかけて、結果論としてしかパラダイムはシフトしないんですよ。
それでも「希望」がある理由
でもこれ、逆に考えると、めちゃくちゃ希望だと思いませんか?
「世の中を変えたい」と考える人はいつの時代も多いですけど、なかなか世の中って思うようには変わらないですよね。選挙に行って一票を投じても変わった実感はぜんぜん得られないし、努力して上の世代の考え方を変えようとしても、徒労に終わるばかりです。
で、そこで「やっぱり世の中は変わらない」って諦めちゃう若い人も多いんですが、みなさんが新しくて正しい考え方を選べば、最初は少数派ですが、何十年も経って世代が交代さえすれば、必ずパラダイムシフトは起こせるってことなんですね。
つまり、世の中が変わるかどうかっていうのは、若者であるみなさんとみなさんに続く世代が、これからどういう選択をするか、どういう「学派」をつくっていくか、で決まるんですよ。
たしかに時間はかかりますけど、下の世代が正しい選択をしていけば、いつか必ず世の中は変わるんです。
だから僕は、おじさん、おばさんたちではなく、わざわざ次世代に向けて、メッセージを送っているわけです。
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