瀧本哲史「社会を変えるのはいつの世も若者だ」 明治維新は20代・30代主導で成し遂げられた

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それで李明博は入社後、それまであまり現代建設が取り組んでこなかった海外の事業に積極的に進出して、数十人の零細企業を十数万人の大会社に成長させました。ヒラ社員から、36歳で社長にまで上りつめて、その実績を看板に「私は韓国の不況を救うことができます!」とぶち上げて、経済界から大統領になったんですよ。

実際には、彼が大統領になっていま4年目ですが、韓国の経済状態はちょっと微妙なところで、レームダック状態になっていますけど……。

いま日本経済を代表するような大企業の経営者も、ご自身で調べてみていただければと思いますけど、やはり若くして会社や業界の常識に挑むことで大成功し、トップになった人物が多いですよね。

たとえば、京セラやソフトバンク、日本電産、ファーストリテイリングもそうですし、昔のパナソニックやソニーも、20代、30代前半の若い人間が中心となって、時代や経済を大きく動かしました。

僕自身も、マッキンゼーを辞めて、当時1900億円の負債にあえいでいたタクシー会社、日本交通の経営に参画したのは29歳でした。僕と一緒に、3代目として家業を再建した社長の川鍋さん(川鍋一朗氏)は、34歳でタクシー業界最年少としてトップに立っています。

ビジネスの世界でも、本当に世の中を変えるような事業や大きな変化を生み出す人っていうのは、基本的に若者なんです。

それまでの常識が覆る「パラダイムシフト」

僕が若い人にいつも必ず伝えていることがあります。「パラダイムシフト」についてです。

みなさん、パラダイムシフトって言葉、聞いたことありますよね? パラダイムチェンジとも言うかもしれませんが、要は、それまでの常識が大きく覆って、まったく新しい常識に切り替わることです。

最近では、スマホが登場してガラケーに取って代わったことなんかは、典型的なパラダイムシフトでしょう。

一般的な用語として広まっていますが、でもこれ、もともとは科学ジャンルの言葉で、トーマス・クーンという科学史の学者が『科学革命の構造』という著書の中で使い始めたものなんですね。

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