2021年も元の水準には戻らない
――新型コロナの影響によって、足元の売り上げはどのような状況ですか。
かなり厳しい。3月の段階で例年の6割ほどに落ち込み、4月7日の緊急事態宣言後は3割ぐらいなってしまった。5月も同じような状況が続いている。観光客が減った影響はさほど大きくないが、人の移動が完全に遮断されたのが痛い。当社含め、タクシー業界はビジネスマンのお客さんが多かったので、在宅ワークになって利用者が大幅に減った。
今後については、緊急事態宣言が解除されれば徐々に戻ってくると考えている。とはいえ、6月に解除されたとして、いつもの4割程度、夏あたりまでは半減レベルだろう。2021年も元の水準までは戻らないのではないか。
――資金繰りの不安は?
タクシーは日銭商売。入金までにタイムラグがある製造業とは違って、日々の水揚げが減ると即、現金収入が細る。一方で、従業員の給料や家賃、燃料代など出費はあるので、4月は差し引き約2億円のキャッシュアウトになった。
資金繰りの試算をしたところ、最悪の場合、今年度の1年間で現金が34億円不足する恐れがあった。そこで4月に35億円の短期借り入れをした。従来の借入残高が70億円弱だったことから見ても、かなり大きな金額だ。すでにあった手持ちの資金と合わせれば、これで少なくとも今年度の資金繰りはもう大丈夫だ。
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