中小企業が国の「資金繰り」に不満を募らす訳

質も規模もリーマンショック時とは異なる

相談に訪れた顧客対応で混雑する信用金庫の融資窓口(写真:時事)
新型コロナウイルス感染拡大にともなう経済危機は2008年のリーマンショック級とも、1929年の世界大恐慌に匹敵するとも言われている。その中で、最も深刻なダメージを受けているのは、大手企業に比べて財務基盤が弱く、手元資金が少ない地方の中小企業だ。
地方の中小企業は新型コロナによって、どんな苦境に追い込まれているのか。
47各都道府県にある中央会支部に加え、350超の中小企業団体、業界団体、金融機関が加盟する全国中小企業団体中央会の森洋会長に中小企業の実情を聞いた。

景況感は全業種で悪化

――新型コロナウイルス感染拡大による経済的ダメージはリーマンショック級と言われています。

リーマンショックは金融危機から実体経済に(その影響が)波及したものだったが、今回のコロナショックは実体経済そのものが急激に冷え込み、金融機関にも負荷をかけている。

リーマンショックの時にダメージを受けた業種は限られていたが、今回はほぼ全業種が悪影響を受けており、全国民が生活を変えざるをえなくなった。ショックの質も規模も、リーマンの時とは違う。

――中小企業にはどんな影響が出ていますか。

全国中小企業団体中央会の加盟企業を対象にした月1回の景況調査によれば、(全業種平均のDIが4月にマイナス63.2となるなど)全業種の景況が悪化している。とりわけ、外出自粛やインバウンドの減少の影響を強く受けた飲食・サービス業や観光業は、前年同期比で売上高が平均80%以上落ち込んでいる。

アパレルや繊維工業も暖冬の影響で苦しんでいたところにコロナが直撃した。印刷業も各種イベントや行事の中止で販促関連の受注キャンセルが相次いでいる。製造業は自動車関係を中心に輸送機器、電気機器関連業界の悪化幅が大きい。

中小企業は大企業に比べて手元資金が潤沢ではない。業種や規模によっても異なるが、月商2カ月分に満たない程度の資金しか手元にない。とりわけ飲食・サービス業界の手元流動性は低く、資金繰りは一刻の猶予も許さない状態だ。

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