コロナ禍で中高年の婚活「泣く人」「笑う人」 茜会とオーネットはどう取り組んでいるのか

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茜会の川上さんは、こう話す。

「正直なところ、弊社ではオンラインお見合いのニーズは高くはありません。多忙な方や遠方にお住まいの方同士のお見合いについては、一定のニーズがありますが、やはり直接お会いしてお相手の雰囲気などを知りたいという方がほとんどだからです。

ただ、10人程度の会員様とオンラインミーティングを開催した際、普段サロンでお会いするときより、自宅にいるためか、リラックスされている雰囲気が感じられたり、背景に会員様の自宅の様子が見られるなど、オンラインならではのメリットも感じました」

多くの人は、「直接会って、相手のことを詳しく知りたい」と考えているが、一方で、自宅のほうがリラックスして話ができる人や、相手の自宅の様子や日常を知りたいと思う人には、オンライン婚活の需要があることがわかった。

3.11後とコロナ後

東日本大震災の後、茜会は、問い合わせや会員が増えた。

「『心残りがないように生きよう』と考える人や、災害への不安感から、『誰かと支え合って生きたい』という人が増えました。最近は、『新型コロナの影響で、1人でいるのが不安になった』という話を、離婚歴のある40〜50代の女性から多く聞きます。コロナ後も、3.11後に近い雰囲気になるのではないかと思っています」

3月から現在まで、退会して婚活を諦める人はほぼいないという。

「現在は外出自粛のため、社会全体がうつうつとしていますが、コロナ収束後にはイベント参加者や新規入会希望者が一気に増えるような雰囲気を感じます。やはり現在1人でいる皆様は、リアルな誰かとつながっていたいのではないでしょうか。今はただ、コロナが少しでも早く収束し、安心できるパートナー探しのお手伝いができたらと考えています」と川上さんは話す。

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各業界では、コロナ禍をきっかけに、オンラインサービスを早々に導入しながらも、最適な使い方を模索している。

オンラインの短所を挙げ連ねて毛嫌いする声も聞かれるが、リアルで不足する部分や弱点をオンラインで補うと考えれば、問題はないのではないだろうか。

「オンラインだけ」「リアルだけ」ではなく、長所を生かし、どちらもバランスよく取り入れていくのが最善だろう。

旦木 瑞穂 ライター・グラフィックデザイナー

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たんぎ みずほ / Mizuho Tangi

愛知県出身。印刷会社や広告代理店でグラフィックデザイナー、アートディレクターなどを務め、2015年に独立。グルメ・イベント記事や、葬儀・お墓・介護など終活に関する記事の執筆のほか、パンフレットやガイドブックなどの企画編集、グラフィックデザイン、イラスト制作などを行う。主な執筆媒体は、産経新聞出版『終活読本ソナエ』、鎌倉新書『月刊「仏事」』、高齢者住宅新聞社『エルダリープレス』、インプレス「シニアガイド」など。

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