日本のコロナ公表情報がどうにも頼りない理由 根拠となるデータの公開なしに判断できない

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厚生労働省の専門家会議による記者会見。毎回、大勢の記者が集まる=5月1日(撮影:木野龍逸)

新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言を解除するには、陽性率などの数値がどんな状況になればいいのか。そもそも、各種のデータから適切な判断は可能なのか。これまで政府の公表データには修正が多く、わかりにくいとの指摘が絶えなかった。データ分析に詳しい濱岡豊・慶応大学商学部教授にデータや情報の公開に問題はないのかを尋ねた。

取材は5月10日と13日。記事中の数字はその時点で公表されていたデータに基づく。

韓国のデータ「信頼できる」の根拠

濱岡教授は日本との比較対象として韓国を取り上げている。

韓国では2月末から感染が急拡大し、3月2日にはテドロスWHO事務局長が記者会見で、憂慮される国のひとつに挙げた。しかし、その後はPCR検査体制の拡充などで感染を抑制し、下のグラフでわかるように3月18日には新型コロナ対応の成功例として評価されることになったからだ。

 

 

(外部配信先ではグラフを全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)

次のグラフでは韓国の感染者数や陽性率などの推移を示した。

 

 

 

 

「累積指標」のグラフでは、桁数の異なる4つの指標の「時間的な変化の傾向」をわかりやすくするため、縦軸を対数にした。このグラフによると、韓国では3月以降、どの指標も傾きはなだらかで、状況は落ち着いている。新規の陽性者が減少した結果、回復者数が陽性者数と並び、累積での陽性率は1.7%まで下がっている。

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