濱岡教授は、韓国のデータを次のように読み解く。
「韓国は、PCR検査をたくさん行っていると言われ、多いときには1日に2万人くらい検査していました。それでも、累積で60万人程度。人口の約1%にすぎません。全員を検査しているというイメージは不適切です。しかし、今でも毎日4000~5000人を検査し、その中で新規の患者が出なくなっている」
「これらから言えることは、『一定のフレームワークで余力のある検査をやってきた』ということ。ランダムサンプリングではありませんが、それなりに信頼できる数字だと言えます。データを見ると、韓国は3月にピークアウトしている。累積の陽性者数は2月末頃から増加速度が鈍っていますが、死亡者数の増加が止まったのはそこから約1カ月後。つまり、新規の患者が減っても、死亡者数はすぐに減らないことがわかります」
日本の状況「死亡者はまだ増えそう」
日本はどうか。
下のグラフは5月7日時点までのものだ。陽性者数の増加が鈍っていることは見えるが、ピークアウトを読み取ることはできない。
濱岡教授の言葉を続けよう。
「鈍化したとは言え、2月末の韓国と同じように、検査数に応じて陽性者数も増えています。回復者数と陽性者数にも差があるので、韓国のようにピークアウトを迎えるにはまだ少し時間がかかるでしょう。仮に4月にピークアウトしていたとしても、死亡者数は遅れてデータに表れるので、これからも増えそうです。それに、日本は陽性率がまだ高いと思います。韓国の1日ごとの数値では、最も感染者数が多かったときでも陽性率は6%、累積では1.7%です」
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