東大生が「難しい本もスラスラ読めちゃう」ワケ 3つの「読むべきポイント」で誰にでもできる

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僕は、「本は魚のようなものだ」と考えています。

「何言ってんだ?」と呆れずに、もうちょっと読み進めてみてください(出所:『マンガでわかる東大読書』)

魚って、頭から尾っぽまで、真っ直ぐに1本骨が通っていますよね。その背骨から枝分かれした骨があり、身がついています。魚を食べるときには、骨と身を分けないといけません。

どんな文章であれ、文章には一貫した主張があるものです。最初の段落から結論の部分までが、一貫して何かを主張している。具体例や細かい説明の部分は、その主張を補完するために書かれているわけです。

この「一貫した主張」が骨で、「具体例や説明」が身です。わかりやすかったり、読んでいて印象に残りやすいのは、この「具体例」や「説明」のほう、つまり身です。

大切なのは「言いたいこと」を理解すること

美味しいのは身のほうなので、多くの人は身にばかり目を向けてしまいます。でも、大切なのは骨の部分身と骨を分離して、きれいに「骨」を理解することが求められるのです。

たとえば、次のような文章があったとします。

常に疑いの目線を持って生活することが大切だ。たとえば、本当は言っていないにもかかわらず、偉人が言ったことになっている名言はたくさんある。マリー・アントワネットは「パンがなければお菓子を食べればいいじゃない」なんて言っていないし、ナポレオンは「吾輩の辞書に不可能の文字はない」なんて言っていない。こんなふうに、一般に正しいと思われていても実は間違っていることは多いから、十分に注意すべきだ。

この文章で記憶に残りやすいのは、「マリー・アントワネットは『パンがなければお菓子を食べればいいじゃない』なんて言っていない」という具体例ではありませんか? 

美味しいのは「身」でも、読み取るべきは「骨」です!(出所:『マンガでわかる東大読書』)

でも、この文章が本当に伝えたいのは「疑いの目を持とう」ということです。つまり、マリーアントワネットの話は「身」で、「疑いの目」の話が「骨」なのです。

この話を要約してくれと言われて、マリー・アントワネットの話をしたら「わかってない」やつだと笑われてしまいます。要約として適切なのは「疑いの目を持とう」という話で、マリー・アントワネットの具体例はそれを補足し、説明するためにあるだけなのです。

短くまとめる「要約」の必要性について、わかってもらえましたでしょうか。

次ページ誰でも「要約上手」になれる3つの視点
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