東大生が「難しい本もスラスラ読めちゃう」ワケ 3つの「読むべきポイント」で誰にでもできる
ではここから、具体的にどこを見れば短く言いまとめる要約ができるようになるのか、3つの視点をご紹介します。
「言いたいこと」を読み取る3つの視点
1番の鉄則は、「文章の最初と最後を見る」ことです。
先ほど僕は「本は魚だ」という話をしました。骨は頭と尾っぽで一貫している、と。つまりは、頭と尾っぽに同じことが書いてあるなら、それはその本の中で強調したい「一番言いたいこと」である可能性が高いのです。
東大生の多くは、国語の問題を解くときにこの鉄則を活用しています。最初の段落を読んだ後、すぐに最後の段落を読み、「この文章はこういうことが言いたいんだな」と筆者の一貫したメッセージを把握した上で、文章の読解に入るのです。
このやり方は、本を読むときにも使えます。「はじめに」を読んだ後にすぐ「おわりに」を読むことで「なるほど、こういうことが言いたいのだろう」と理解することができます。それを元に本文を読むから、読むスピードが速くなるし、誤読も少なくなるというわけです。
この鉄則は、要約にも活用できます。最初に書いてあることと最後に書いてあることを読み、その中から著者が重要だと考えているであろうポイントをつかんで、自分の言葉でまとめてみるのです。
次にポイントとなるのは、「しかし」の後です。古今東西、日本語も英語も含め、どんな文章でも「逆説」の後には著者が言いたい「骨」が見え隠れしている場合が多いのです。
「みなさんの中に、こう思っている人は多いのではないですか? しかし実は違うんですよ!」「こういうこと、やりがちですよね。しかし、それはやってはいけないんです!」
こんな文章、よくありますよね。多くの人がやっていることや常識と考えられていることを提示して、それに対する否定をぶつける。非常に多く使われる表現技法です。
では、なぜこの技法が多く使われているのでしょうか? それは、著者が文章を書こうと思う「理由」を考えればわかります。多くの場合、著者がわざわざ文章を書くのは、世間の「常識」や「当たり前」に対して思うことがあるからです。
「みんなこう思っているけれど、そうじゃないんだ!」「知られていないけれど、これって重要なんだ!」と、世間一般の常識に対して「NO」を突きつけるのが、文章の本質です。だからこそ、逆説を使ってその思いを表現することが多くなるのです。
みなさんは、「しかし」「だけれども」「だが」など、「逆説」のあとの文章に着目してみてください。英語であれば「But」「Yet」「However」の後です。そこには、著者が本当に言いたい「骨」が書かれているはずです。
最後は、「問いかけ」です。
著者が「本当に理解してほしいポイント」を書くとき、読者に対して「質問」することがあります。ただ「これってこうなんです」と書くだけでは、そこが重要だと気づいてもらえないかもしれない。だから「これってどう思いますか? 実はこれ、こうなんですよ!!」という形で、読者を文章に引き込もうとする場合が多いんです。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら