それはともかく、実体経済主導で、それに金融市場は付いていっているだけだから、今回は、実体が予想を大きく上回って良くなっているというサプライズでない限り、下落したはずなのだ。そして、投資家たちは、そのサプライズはないことを確認するため、雇用統計が出るのを待って、予想通りの結果だったからいっせいに売り時として売ったのだ。
余談だが、日本人よりもむしろ、世界の投資家は慎重で臆病だ。確実に儲けに来る。強欲というと激しい感じがするが、同時にがめついのだ。しかし、それは当然で、日本人があまりに潔すぎるのだ。
最後の手仕舞い売りか、一時的な利益確定か
さて、今回の雇用統計発表は、絶好の売り時だったのだが、問題は、これが最後の手仕舞いか、一時的な利益確定か、どちらなのかということだ。相場の大きな転換点なのか、一時的な調整なのか。
私の金曜日深夜の時点での第一感は転換点ということだったが、これは単なる勘で、感覚的な問題だ。しかし、月曜日も大幅続落となると、これは転換点の可能性が強まる。
好材料で売り、というのは投資家たちがもうおなか一杯、十分買いつくした、後は売るだけ、となっている状態であることを表す。日本株に関しては早くからそうなっていたので、安倍首相のダボスでも、むしろ売りが先行し、米国市場が戻っても日本は戻らず、米国だけが最高値更新した。日本株は昨年買いすぎ、儲けすぎて、海外投資家はもうおなか一杯、つまり、ポートフォリオ一杯か、もう売ってしまっているので、もう買う投資家はいないということだ。
同じことが、米国株式市場についても言えるかどうかがポイントだ。
これまでの普通の感覚では、日本とは違う、ということだ。株式投資への資金は世界全体では極めて大きく、米国から抜けるとなると、よほど大きなブームが他の投資商品にないといけない。悲観的になれば米国債券だし、リスク嗜好なら新興国株式、依然は世界的な不動産、そしてエキゾチック商品(複雑な仕組み債など)ブームだった。
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