ついに転換点を迎えた?米国の株式市場 手仕舞いか、一時的な利益確定か

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しかし、今は先進国株式、とりわけ米国株式が本命で、それが崩れることはない。となると、米国株式から流出は難しく、せいぜいダウやS&P銘柄からハイテク、ナスダックへの移動、あるいは非上場株、ベンチャーキャピタルなどだった。

欧米でも、投資ブームが去った可能性

ここで難しいのは、ロシアウクライナ情勢や中国問題などが、どの程度投資家のセンチメントに影響するかということだ。意外と欧米投資家が脆弱な構造になっているのは、米国や英国の金融規制の影響が大きく、レバレッジを利かせた投資は、金融機関には問題外で、リスク投資の主体がヘッジファンドや企業などに限られてきてしまっていることだ。

となると、投資家の幅は狭まっており、非上場株、ヴェンチャー投資、M&Aなどは豊富でも、上場株を単に買う、という投資のブームは去り、地政学的なショックが起これば、そのマーケットは一気に崩れる可能性もある。そこへ、今の水準の高さ、これまでの上昇度合い、ということを考えると、ここで一時的な調整と、転換点の中間ぐらい、つまり、転換点で一気に悲観に傾くわけではないが、悲観に次に傾いたときのために準備しておくために、大きな一時的な調整を行なっている、というのが妥当な解釈ではなかろうか。

したがって、今週の株式市場は要注目だが、割と大きな節目に立っていることは間違いないと思われる。

小幡 績 慶応義塾大学大学院教授

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おばた せき / Seki Obata

株主総会やメディアでも積極的に発言する行動派経済学者。専門は行動ファイナンスとコーポレートガバナンス。1992年東京大学経済学部首席卒業、大蔵省(現・財務省)入省、1999年退職。2001~2003年一橋大学経済研究所専任講師。2003年慶應大学大学院経営管理研究学科(慶應義塾大学ビジネススクール)准教授、2023年教授。2001年ハーバード大学経済学博士(Ph.D.)。著書に『アフターバブル』(東洋経済新報社)、『GPIF 世界最大の機関投資家』(同)、『すべての経済はバブルに通じる』(光文社新書)、『ネット株の心理学』(MYCOM新書)、『株式投資 最強のサバイバル理論』(共著、洋泉社)などがある。

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