数日前から香港と深圳に来ている。主目的はアセアンにおけるレアメタル開発のパートナーとの打合せだ。だが、どの得意先と意見交換をしても、「中国経済の崩壊は、まだまだ先の話」との意見が多い。
2008年のリーマンショック前夜のような雰囲気?
彼らの話を要約すると、こうだ。「確かに理財商品のデフォルトは一部に起きている。だが、いずれも小さな規模であり、中国経済全体に影響を与えるものではない」というものだ(この意見の根拠は、次回以降に書く予定だ)。
もちろん、バブル崩壊がないことに越したことはない。だが、振り返ると、2008年のリーマンショック前にも、同じような空気が大勢を占めていたことを思い出す。そうしてみると、われわれ日本人ビジネスマンには、いまの「彼らの意見」にはやはり違和感があるのだ。
リーマンの時も、サブプライムローンの問題があきらかになって、しばらくたってから、バブルが崩壊した。しかもそれはいったん崩壊すると急激なものであった。あのときといまの中国を比較すると、類似点が多い気がしてならない。
現在の中国経済は非常に不安定だ。どう見ても実需とかけ離れた建設現場を見ると、バブルが明日弾けても不思議ではないと思う。それでも中国各地にある、入居者のいない不気味な「空マンション」は、なお増えている。
そこで今回は「いま中国で何が起きているのか?」について、焦点を当ててみたい。まずは、3月に暴落した、不気味な銅相場の背景について書いてみたい。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら