中国の宴会文化に、日本的な「二次会」はない 宴会を制する者、中国ビジネスを制す②  

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中国料理の最高峰の一角、フカヒレのスープ。中国の宴会は戦い。じっくり味わっている暇はないかもしれない(Imaginechina/アフロ)

前回に続き、中国ビジネスとは切っても切り離せない、宴会の話をさせていただきたい。私には「二次会は出るな!」という著書がある。この本の内容は「生き金は使え、死に金は使うな」といった内容のビジネスの啓発本であるが、実は、この中で私が書いていることとは、「中国との取引を開始した時、宴会を通じて経験したこと」である。

カラオケがなかった時代の宴会とは・・

昔の中国の宴会では、取引先と実に充実した時間を共有することができたものだ。宴会の作法や宴会時での中国人ビジネスマンの会話も、人間味があふれ、内容も豊かだった。

ちょうど、日中平和友好条約の締結(1978年8月12日)直後、私は訪中する機会を得た。この時期から日中貿易が本格的に開始されるが、それまでの多くの障害を乗り越えて、双方が友好的関係を構築するために、大変な努力をしたわけである。

宴会の初めには主人側の中国側の挨拶があり、招かれた日本側も答礼の言葉を用意した。

乾杯は必ず貴州省の茅台酒(マオタイ酒、白酒)が出てきた。今、すべてがなくなったとは言わないが、当時の正式な宴会では、お互いに毛筆で五言絶句や七言絶句を即興で書いてみたり、漢詩をそらんじて詩吟を披露したり、京劇の一節を披露したりと、今でも鮮やかに記憶に残る宴会がいくつもある。

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