【産業天気図・外食】消費不況が打撃、既存店は軒並み前年割れ、10年9月まで「雨」
かつては「デフレ時代の勝ち組」だった牛丼業界も苦境にある。ゼンショー<7550>の牛丼チェーン「すき家」は、吉野家ホールディングス<9861>の「吉野家」を抜いて、首位に躍り出たものの、今期7か月累計の既存店売上高は前年比93・9%。2位に転落した「吉野屋」は9か月累計で93.2%、業界3位の「松屋」(松屋フーズ<9887>)も同95.6%と冴えない数字が並ぶ。吉野家以外の2社は12月から主力の牛丼価格の値下げに踏み切ったが集客効果は未知数。明確な打開策は見えて来ない。
企業の生命線であるトップラインの拡大が見込めない状況で、足元の業績の浮沈を決めるのはコスト削減策の成否だ。喫茶店大手のスターバックス<2712>は、10年3月期初に見込んだ年間4億円のコスト削減策が、33億円まで効果拡大するとしている。「調達・配送・店舗設備のオペレーションの見直しや、アルバイトの新規採用数の抑制などが想定以上に進捗している」(ファイナンス&アドミニストレーション統括オフィサーの北川徹氏)ため。ただ客1人の食べる量には限りがある以上、外食産業における企業成長は客数の維持・拡大が大前提。客足の回復なくしては、根本的な業績拡大は望めないのだ。
(二階堂 遼馬)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら