【産業天気図・外食】消費不況が打撃、既存店は軒並み前年割れ、10年9月まで「雨」
09年10月~10年3月 | 10年4月~9月 |
外食業界の09年10月~10年3月は、9月の前回予想から1年通して一段悪化し、「雨」となる見通しだ。個人消費低迷の長期化が痛手。続く10年4月~10年9月も不透明感は強く「雨」が続く。
10月の外食全業態の売上高は前年同月比100.4 %と、5カ月ぶりにプラスに転じた(日本フードサービス協会調べ)。客単価は98.2 %と前年同月割れだが、客数が102.2 %と増えた。一見好調の外食業界だが、実際は業態別に業態別に大きく明暗が分かれる。「明」は売上高で同105.9%となったファストフードだ。
たとえばファストフード最大手の日本マクドナルドホールディングス<2702>は、たまごダブルマックや月見バーガーといった商品の投入が奏功。今09年12月期の通期既存店売上高は前期比101~103%が見込まれる。来期以降も新メニューのコーヒー7種の導入拡大(10年末までに1000店以上目標、現状715店)や、期間限定・復旧型商品の随時投入などの施策が業績を支えると期待される。
一方、「暗」となるのはファストフード以外の大半の業態だ。売上高は前年同月比でファミレスが97.2%、パブ・居酒屋92.8%、ディナーレストラン91.9%、喫茶93.5%と、軒並み前期割れを強いられている。居酒屋大手・ワタミ<7522>は、直近の09年4~9月期(上期)の国内外食売上高が前年同期比94.7%と苦戦した。多角化経営がウリの同社は、介護事業の好調で主軸の外食の落ちこみを補い、通期で増収増益となる見込みだが、外食事業だけを見ると11月まで累計の既存全店売上高が92.6%と低水準の状態が続いている。また、ファミレス大手で12月決算のロイヤルホールディングス<8179>は、収益源のロイヤルホストの既存店売上高が、足元も前期比1割程度の減少中だ。