自粛の今こそ読書!戦略コンサルの「読む技術」 「本の読み方」から「時間の作り方」まで一挙公開

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私が出会った仕事ができる人は、「タイムマネジメントの達人」だ。時間の価値を知り、人生という限られた時間から「何かを生み出そう」と必死にもがいている。「時間をコントロールすることが、人生をコントロールすること」だと私は信じている。

新型コロナの甚大な影響で、家にいる時間が必然的に長くなっている。こんなときこそ、読書にいそしむ絶好のチャンスである。

突然降って湧いた「自由時間」を浪費してしまってはあまりにももったいない。今しかできない「自分ならではの読書」を楽しむ時間として有効活用してほしい。

「再読」のすすめ

私はこの自粛時間を、昔読んだ本の「再読」に充てている。本棚の整理をしながら、昔読んで感銘や影響を受けた本をピックアップし、1冊ずつ「再読」を進めている。

ジャンルは問わない。コンサルタントとしての大先輩である大前研一さん堀紘一さんのビジネス書から始まり、城山三郎中野孝次沢木耕太郎開高健宮脇俊三田中小実昌など、お気に入りの作家たちの本をもう一度ひも解いている。

ビジネス書などには以前読んだときに引いたマーカーが残っている。それがまた面白い。「なんでこんなところにマーカーを引いているんだろう?」と思うこともあれば、「なぜここにマーカーを引かなかったんだろう?」と思うこともある。

同じ本を読んでいるのに、「昔の自分」と「今の自分」では反応するところが違う。成長なのか退化なのかはわからないが、「自分自身の変化」に気がつく。

普段は「時代に遅れまい」と新しい本に飛びつき、新しい情報や知識を吸収することばかりに目が向いてしまう。こんなときこそ、「昔、自分が影響を受けた本」と再度じっくり向き合うのも一興である。多かれ少なかれ、今の自分は「過去の読書の積み上げ」でできている

遠藤 功 シナ・コーポレーション代表取締役

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えんどう いさお / Isao Endo

早稲田大学商学部卒業。米国ボストンカレッジ経営学修士(MBA)。三菱電機、複数の外資系戦略コンサルティング会社を経て現職。2005年から2016年まで早稲田大学ビジネススクール教授を務めた。

2020年6月末にローランド・ベルガー日本法人会長を退任。7月より「無所属」の独立コンサルタントとして活動。多くの企業のアドバイザー、経営顧問を務め、次世代リーダー育成の企業研修にも携わっている。良品計画やSOMPOホールディングス等の社外取締役を務める。

『現場力を鍛える』『見える化』『現場論』『生きている会社、死んでいる会社』『戦略コンサルタント 仕事の本質と全技法』(以上、東洋経済新報社)などべストセラー著書多数。

 

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