泥くさい部分がないと業務改革はできない
戦略グループのシニア・マネジャー鶴田雄大さん(37歳)は、外資系メーカー2社の経験がある。1社目ではコンシューマー向けのパソコンのマーケティング、2社目では新規事業開発を経験し、アクセンチュアに31歳のとき、転職した。
現在、担当するクライアント企業は、通信業界とハイテク業界が中心で、主にM&A、事業再生、業務改革を手掛ける。前職の業界知識と現場の経験が生きているという。
「ビジネスには、経営戦略を描くようなシャープな部分と、地道に現場を動かしていく2つの要素があり、両方の理解と経験が欠かせない。戦略コンサルタントの仕事も、シャープな仕事ばかりでない。現場感が圧倒的な説得力を増す」
通信業界の業務改革を担当したとき、鶴田さんは下請け企業の現場に1カ月張り付き、施工担当者が毎日、どんな業務をして、どういう課題を抱えているかを観察し、可視化した。
「こういう泥くさい部分がないと、業務改革はできない。現場はこうしないと動かないとか、お客様が属する業界の意思決定がどのように下されるかを理解することが、業務改革の着実な支援につながる」
その業界の現場をすんなり理解できる素地もあったのだろう。「中途の強みは、業界知識と現場経験だ」と鶴田さん。だが、それにとらわれすぎると弱みに転じることもあると戒める。
「自分の成功体験を強く信じ、自分のやり方に固執すると、なかなかレガシーを変えられない。自分が積み上げてきたものを一回、ゼロリセットするくらいの気概を持って、新たに学んでいく姿勢が大事」
強みを発揮しながら、強みを捨てて変わることを恐れない。そんな人材が求められているのだ。
明日は、ミュージシャンからコンサルタントに転職したビジネスパーソンの事例を紹介しよう。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら