あの有名企業は、なぜ中途採用に熱心なのか ニトリ、アシックス、アクセンチュアが欲しがる人材

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大手企業のノウハウを蓄積、現場で化学反応

ニトリの求人に応募してくる人の前職は、メーカー、商社、金融、国家公務員など多岐にわたる。パナソニック、キヤノン、住友商事、メガバンクなどの大手企業に勤める人が、ニトリに転職するのは、BtoCの「C」の存在が大きいという。

「面接で志望理由を聞くと、うちには小売り機能があり、直接、結果が見えるのが魅力らしい。わが社の8割の商品は海外で作ったプライベートブランド。自分たちで企画、デザイン、制作、品質検査を行い、運んでくる。まさに、いろいろな業種・業界の方の力が生かされて、最後の小売りによってお客様の反応と手応えを実感できる」

同社では、中間採用の社員を必ず半年から2年、店舗に配属し、現場の仕事を学ばせる。SEやデザイナー候補者も例外はない。自分が持っている能力をベースに、現場の問題を把握し、どこを改善できるか、改善すべきことは何かがわかるからだ。

公認会計士の男性は、店舗の副店長を務めた後、物流センターの責任者になり、現在は海外の子会社で生産管理を担当している。数字に強いという能力をベースに改善に取り組む。

9年前にホンダから転職してきた杉山清専務(71歳)は、ニトリの品質管理を担当し、「ホンダイズム」をもたらした。命にかかわる自動車の検査基準や考え方をニトリの品質検査に適用している。

大手企業のノウハウを蓄積しながら、成長し続けるニトリ。異業種・異業界の知識やスキルと、ニトリの現場が“化学反応”を起こすのだろう。

「ニトリの歴史は、チェンジとチャレンジの繰り返し。変えることが褒められる会社なのです。現状に満足せず、今日うまくいったことでも変えていく。今日よりも明日、明日よりもあさって、もっといい方法があるはずだと考えて実行していく。そういう気持ちがある人なら、何歳でもかまわない」と、五十嵐さんは語る。

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