<1つ目は、あの翌年に上の子が保育園に入園できて仕事に復帰したこと。子どもを育てながらの仕事が初めてだったこともあり、残業はしなくなりました。でも、夜、子どもが寝てから作業をすることもあり、それまでの生活の仕方と大きく変わったと思います。
2つ目は、仕事復帰の半年後に次男が生まれたこと。夫が上の子の面倒をかなりみてくれたので、どうにか出産1週間前まで仕事を続けることができました。
3つ目は転職です。3歳と1歳の子どもがいて、かつ自分も40歳で転職先が見つかるとは思ってなかったのですが、無事に今の会社に入れました。法人営業なので毎週出張していますが、夫の協力でどうにかやってこられています>
まだ幼い子どもたちの世話と仕事との両立をなんとか遂行するため、夫との関係性は「ともに戦う同志」になった。フリーランサーである夫はとくに育児を担当。家族仲は良好である。
<子どもたちは、上は比較的ママっ子で、下は比較的パパっ子。でも、ママだけでも大丈夫だしパパだけでも大丈夫です。私の収入が転職によって増えたこともあり、年1、2回は海外旅行にも行けるようになりました。家族全員でいろいろなことができていい関係かと思います>
30代前半までの京子さんは仕事にも遊びにもいい意味で貪欲だった。しかし、結婚して9年目になった現在はまったく異なる境地にいるようだ。
<言い方がおかしいかもしれないですが、夫と子どもがいることで、自分の人生でやりたいことがほぼ完了したという実感です。不安に感じることは、この先子どもたちが反抗期になったときに対応していけるのか、私も夫も仕事を順調に続けられるのか、などです。今回のコロナの影響でどうなることやら……。でも、子どもたちの教育方針に関しては夫と意見の相違はほぼないので、このまま家族みんなで自然に過ごしていけば乗り越えられるかもしれません>
子どもという次世代育成に力を尽くすことで、「自分の人生はほぼ完了」と満足しつつ未来への投資ができる。だから幸せが2倍になったという京子さんの感覚には説得力がある。
離れて暮らすからこそ、互いのありがたみを理解できる
夫婦2人だけ、しかも週末婚の生活であっても、「2015年の幸せ度を100としたら今は200!」と言い切る晩婚さんがいる。中学校の体育教師である西川里奈さん(仮名、41歳)だ(前回記事はこちら)。
<2017年から夫が転勤で単身赴任になり、週末婚になりました。お互いのありがたみを理解して、以前よりも一緒にいる時間を大切にするようになったと思います。毎週、どちらかが旅行しているようなものなので、旅行へのハードルが一気に下がり、お互いにアクティブになりました>
里奈さんは今後の生活にも「不安は別にない」と断言。配偶者と離れて暮らしているからこそ、現在の幸福を謙虚に受け止めて感謝できるのかもしれない。
<夫は私のことを誰よりも大切にしてくれて、私自身よりも私を理解してくれています。毎日のように『かわいい』と言ってくれて、私に似合う服をコーディネートしてプレゼントしてくれたり。私も夫の頑張りを心から応援できるようになりました。お互いに成長し、よりよい人間になれる関係だと思います>
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