邦夫さん以上に結婚願望が薄く、結婚してからも幸せオーラをまったく出していなかった人物がいる。妻の勤務先近くの郊外へ引っ越してから友達付き合いが減ってしまったとボヤいていたフリーランスデザイナーの梶原健一さん(仮名、45歳。前回記事はこちらだ)。39歳で結婚した健一さんは現在、友達ではなく子どもたちに囲まれた生活をしている。
<3年前に女の子、昨年は双子が生まれ、あっという間に5人家族に。生活が大きく変わりました。子育てと仕事の相性はとことん悪くて、仕事にかける時間が減るというストレスはかつて経験したことのないものです。でも、妻と(たまに義母も)チームとして1つひとつこなしています。余裕のない毎日で、ふと足もとを見たら爪が伸びきっていました>
子どもたちはもちろんかわいいのだろうが、子育てを楽しむというほどの余裕はなさそうだ。しっかり者の健一さんが仕事と育児のはざまで悪戦苦闘している様子が目に浮かぶようなメール文面である。
<大きな問題から小さな問題まで、1人で抱え込まず相談し協力して解決していくことができるのはいいですね。僕は1人で考えて解決していくタイプだったのですが、結婚してからは妻によく相談しています。
結婚生活で不安な点は、子どもの将来とか考えだすといっぱい出てきそうなので、あまり考えないです。不安というより不満はいっぱいありますが、それはまた別の機会にでも。
僕たちは3年の同棲を経て結婚しているので、お互い等身大の関係のまま現在に至り、結婚後の大きな失望とかもないと思います。僕の浅さが妻にバレてしまって、敬意みたいなものは結婚当初に比べて薄まったかもしれません。結婚したときは幸せの絶頂というわけでもなく、そこから不幸になったわけでもないので幸せ度は5年前と変わりません>
旦那さんの実家で、認知症の父親と同居
最後は、地元のテニススクールつながりで結婚した斎藤紀子さん(仮名、48歳。前回記事はこちら)。
テニスコートの恋と言えば上品に響くが、工務店を営んでいる夫の明弘さん(仮名、46歳)と紀子さんはきさくな人柄。斎藤家が経営する貸しアパートの空き部屋で、ペットボトルのお茶を飲みながら3人で話したことが懐かしい。「めいっ子やおいっ子と比べても桁違いにかわいい」赤ちゃんだった息子くんがもう小学生になる頃だ。紀子さんは「生活が安定した」と評価する。
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