テレビマンが予言する「5月の番組表」7大異変 収録休止は業界にプラスに働くかもしれない
現在、テレビ各局とも新しいドラマなどを制作することが非常に難しい。しかし、外出自粛の中で、ドラマコンテンツのニーズはこれまでよりも増えている。こうした中、NetflixやAmazon Primeなどの動画視聴サービスは順調に加入者を増やしている。
とりわけ注目を集めているのが、ドラマやアニメの「一気見再放送」だ。ABEMAはサービス開始の頃、人気アニメの一気見再放送でユーザーを一気に増やした。各局ともすでに過去の名作ドラマの再放送を始めているが、今後は「一気見」あるいは、組み合わせを考えて「特集再放送」することが一層増えていくのではないか、というのだ。
五輪特番の"穴"をどうやって埋めるか
同じ文脈の中で復活していくのではないかと考えられるのが、映画枠だ。少し前までは「〇〇洋画劇場」などの映画枠が非常に多かったが、このところ少なくなっていた。これが復活するのではないかという予想をする背景には、「ドラマコンテンツ不足」以外にも根拠がある。
現在かなりの数の映画館が休業状態にあり、この先もいつ営業を再開できるか、予想が立たない。しかし、夏休みなどの書き入れ時に向けて、すでに多くの映画が制作されていたりするので、公開の見込みが立たずに困っている作品は多いはずだ。
となると、「劇場で公開する前にテレビで放送してしまおう」と考える映画会社があっても不思議ではない。事実、中国では春節時期に公開を予定していた大作映画が、劇場公開できず、ネットで先行公開された事例もある。
そもそも、この夏には東京オリンピック・パラリンピックが開催される予定だったから、各局とも予定していた放送枠が大量に空いてしまっている。そこになんとか「代わりとなる目玉番組」を放送したいが、現状では制作することができない。
そこに、「劇場未公開の新作映画」を独占放送することができるなら、まさに打ってつけではないか。今後各局は、公開済みの人気作の放送権獲得のみならず、未公開作の放送権獲得にしのぎを削るのではないか、と予測するのは、あながち間違いではないかもしれない。
テレビ界には、大昔から「犬・猫・子どもを出しておけば数字(視聴率)は来る」という定説がある。現にこれまでもかなりの数の「動物番組」が編成され、現在も人気を博している。これが一層加速するのではないかという予想は、たぶん当たる気がする。
なにせ世の中はかなりの「自粛ムード」だ。何か面白い番組を作ろうと思っても、下手なことをすれば「不謹慎だ」と怒られ、炎上するリスクはいつもよりも高い。しかし、「動物や子どもの可愛い映像」ならば、そうしたリスクはあまりないだろう。
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