続いて、インドは今、国が伸び盛りです。人口もどんどん増えています。しかし、彼らがすごいと思うのは、海外から持ち込まれる新しい価値観を受け入れているところです。中国には「華僑」と呼ばれる人たちがいるように、インドには「印僑」がいます。インド最大のIT都市 バンガロールに集積する企業には、シリコンバレーで働いていたようなインド系の人たちが自分の国に戻ってきて働いています。その人たちがアメリカでKUMONを知って、インドでKUMONの教室をやってくれたりもしています。インドには旧来的な価値観も残っていますが、「学力を身に付ければ、いい将来を手に入れることができる」という新しい価値観が、今アメリカやイギリスから伝わってきて、若い人に広がりつつあります。その変化に、KUMONがフィットしつつあると思っています。
<KUMONに入会している親子への取材>
今回の取材では3組の親子にも話を聞いた。いずれも小学校に通う前の幼少期からKUMONに入会し、すでに何学年も先まで教材を進めている子たちだ。もちろん勉強を大変に感じることはあるようだが、解けるようになるうれしさや先生との交流が楽しく続けている様子だった。「KUMONを始めてから自分に自信を持てるようになったみたい」と親たちも口々に話す。また、勉強以外にも「子どもたちが自分で考えて、自分で行動できるようになった」という親は多い。率先して家事の手伝いなどをしてくれるという。こうしたことから、子どもの兄弟や姉妹もKUMONに入会したり、ママ友のコミュニティでほかの母親に勧めることもあるそうだ。まさに、クチコミの力で広がっていっている。
国境を超えて起こる「バタフライ現象」
――国境や人種を超えたKUMONの広がりを感じます。
私はアジア・オセアニア地域を統括する拠点であるシンガポールで働いていますが、日本にいるときよりも「世界はつながっている」ということを感じています。また、「これが本当のクチコミの力なんだな」とも。日本ではそういうことをなかなか感じられません。
同じことは、オーストラリアについても言えます。この国の一般的な子育ての考え方として、のびのびと好きなことをやって育ってほしい、というものがありますが、最近では、特にアジア系の移民が増えるにつれ、状況が変わりつつあります。将来、これらの移民たちが仕事の場でも活躍してくることを予測して、オーストラリア人の子どもが低学年からKUMONを始める傾向に変わってきています。国境を越えた人種のかかわりが需要を生んでいる一例だと感じています。
フィリピンには、特にこれから伸びるポテンシャルを感じています。一例として、フィリピンでは高校を卒業して船員を目指す大学生が、大学の授業の一環でKUMONをやっています。彼らの中には高校を卒業していても数学が苦手な生徒もいます。そのため船員の仕事に求められるような専門的な知識を理解できなかったり、航図を書けなかったりする学生もいるため、KUMONの教材でもう一度、掛け算や割り算からやり直すこともあります。これにより数学的な力がつけば、もともと英語が使えるため国際的な船で働くことができます。フィリピンは、これからの可能性がすごく広がっていると思います。
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