危険手当320円、コロナに奮闘する看護師の実情

風評被害で心理的に追い詰められるケースも

困ったのは、その病棟に入院していた患者の移動先だ。コロナ専用病棟となった8階には整形外科、泌尿器科、眼科、皮膚科の患者がいた。退院や転院できた患者以外は、別の階の病棟に移ることになった。

普段は消化器内科の患者を担当する看護師は、今まで経験のない診療科の患者の対応に戸惑っている。ひざの手術後の患者にはリハビリ機械を使ったり、泌尿器の手術後の患者には尿道に管を入れる処置をしたりと、普段の消化器内科の看護とはまったく異なる。慣れない処置で「患者に迷惑をかけてはいけない」という思いから、普段より心理的ストレスも大きい。

消えない感染の不安

8階フロアで受け入れる新型コロナの患者は、軽症患者のみ。通常時は30人強いる病棟看護師は、コロナに対応する看護師のみ20人に絞られた。

接触は最低限にしているとはいえ、看護師の感染の不安は消えない。看護師からは「ウイルスに感染しているかもしれないから、家に帰りたくない」という声が寄せられた。病院側は病棟のシャワールームを開放。感染患者の対応をする看護師が仕事を終えたらシャワーを浴び、着替えをしてから帰宅できるようになった。

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ストレスを感じているのは、現場で働く看護師だけではない。管理者の心理的負担も大きい。

8階フロアを管理する看護師長は、国や県からの要請が刻々と変わるため、数時間おきに病院幹部からの召集があり、対策に追われている。最も頭を悩ませたのは、「誰を感染症対応の病棟に残すのか」だ。看護師長は、子どもや高齢の家族と同居する人を避けるなど、「スタッフの選別」をせざるえなかったという。

マスクを使い回していることからもわかるとおり、防御体制は十分ではない。しかし、この病院で看護師に支給される危険手当は福岡県職員の基準に準じて1日320円にすぎない。コロナ感染患者に対応する看護師には支給されるが、他の病棟の看護師にはそれすらない。

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