日本の大学発ベンチャーがパッとしない病根

経営者はアメリカでの資金調達を検討すべし

日本の大学発ベンチャーが一皮むけるためには、アメリカでの資金調達が必要だ(写真: Fast&Slow/PIXTA)

近年、大学発ベンチャーが日本でも注目されるようになっている。

もともとは大学のもつ知的財産の活用・ライセンス導出・商業化からスタートしたものだが、現在では、研究室で達成された最新の研究成果を事業化するバイオテック関連、グーグルやエアビーアンドビーのような在学中の学生が企業化したIT関連など、大学発ベンチャーがさまざまな形で活躍している。

アメリカでは、エンジェル投資家(創業まもないベンチャーに投資する個人)からベンチャーキャピタル(VC、ベンチャー企業専門の投資会社)まで、大学発ベンチャーに対する関心が高まっており、大学もベンチャー育成に力を入れている。

日本でも、各種の試みが進められている。経済産業省、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、科学技術振興機構(JST)など、政府・公的機関はベンチャー企業のデータベースを作成・公表するほか、ピッチイベントなどを開催。各大学もベンチャー育成のための専門部署を設置し、出資している。

しかし、日本国内では資金調達が難しい(特にバイオ・医薬品の領域だと投資の“出口”までの期間が長く、金額も大きい)うえ、国内市場が硬直化しており、ベンチャーの指導を的確にこなせる専門家も限られている。そのため、大学発ベンチャーを成長させ、事業化して軌道に乗せるまでのハードルが高い。

そのせいか、日本の大学発ベンチャーの海外進出事例は少ない。例えば、アメリカ西海岸のIndieBioなど有名なピッチイベントでは、日本のベンチャーの登場がまだまだ限られている。こうした現状を打開するには、大学間ネットワークを活用する必要がありそうだ。

今回は、京都大学が大学発ベンチャーの支援活動として、カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)と連携して開催したベンチャーショーケースを紹介しながら、日本の大学発ベンチャーがアメリカで資金調達することのメリットと注意点について考えてみたい。

京大発ベンチャーがアメリカで遭遇したもの

京大は2月27〜28日、筆者が所属するUCSDで「Kyoto University LifeScienceShowCase@UCSD2020」を開催した。目的は、

  1. 1.京大発イノベーションの海外展開加速化の支援(アメリカでの資金調達・アライアンスの支援)
  2. 2.京大研究者・スタートアップ企業にアメリカでの開発・薬事申請・起業を学ぶ教育機会の提供
  3. 3.京大UCSDオンサイトラボ(2019年9月始動)の活性化

などだ。

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