男性優位でも活躍「次世代女子」を育てる心得 出世街道の複線化事業を推し進めよ!

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だとすると、旧来の日本の企業が男性だけの集団に最適化された形で制度設計されていることが、女性の活躍を阻んでいるとも考えられます。傾向として女性と男性ではモチベーションの構造が違うのだから、企業におけるインセンティブ設計も男女で変えるべきではないかというのが漆先生の主張です。

「例えば重要な職務に女性を抜擢する場合、『キミのために』みたいな言い方では女性には断られてしまう確率が高いです。『次世代のためにパイオニアになってほしい』というような言い方をしたほうがリスクテイクしにくい女性の心を動かしやすいんです。みんなのためだと思えるとやる気が出るんですね」

旧来の男性社会は「出世競争」というレースを競わせることで切磋琢磨する環境をつくってきました。でも女性にはその力学が通用しないというのです。

「これからの時代、リーダーシップのあり方も変わってくるでしょう。競争力よりも包容力なんです」

「働きやすさ」よりも「活躍しやすさ」を

そのうえで、どうしても出産・育児によるキャリアのスローダウンが必要な時期を、どのように乗り越えるか。

「男性だけで考えると、育休期間を延ばすなど、勤務条件面に目が行きがちなのではないでしょうか。それはもちろん大切なことですが、将来企業のトップリーダーとして活躍する女性を本気で増やそうと思うのなら、『活躍しやすさ』に着目することも必要です。

女性の働き盛りにはピークが2つあると思います。第1子出産の平均年齢である30歳にさしかかる手前の20代のころと、子育てが一段落する40代半ば。ですから、戻ってきてから活躍できる土台となる経験を積ませるために、女性を早いうちにリーダーに抜擢したり海外勤務をさせたりすることが大切です」

この記事の読者の中には企業で管理職的立場にある親御さんも多いでしょうが、お子さんの将来を考えたとき、自社の人事戦略は理にかなっているでしょうか。

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