アメリカで「エリート街道を歩む子」の進学事情

「日vs米」受験競争どちらが過酷?(前編)

アメリカの格差社会の現実も示している(写真:FatCamera/iStock)

日本では、某医学部入試において、女性が不当に合否判定をされていたことが明らかになった。大きな問題として取り上げられ、集団訴訟にも発展しているが、そもそも発覚のきっかけが何だったか、みなさんは覚えているだろうか。文部科学省の役人が、その立場を利用してわが子を裏口入学させたことである。

「セレブ」による大規模「裏口入学」事件

アメリカでも、複数の名門大学で、裏口入学が行われていたとして、大勢の逮捕者が出ている。担当検事は、大手企業の経営者や有名俳優が名を連ねる逮捕者のリストを「富と特権の目録のような顔ぶれ」と皮肉った。

手口はなかなか大胆だ。特別な施設でカンニングしながら受験ができるように、関係職員を買収したり、スポーツなどをしていない受験生をスポーツ推薦枠で合格させてもらえるようにコーチに賄賂を送ったり……。これらの作戦を仕切った「合格請負人」の被告は、8年間で約28億円の「報酬」を得ていたという。

ちなみに、アメリカでは、子どもの合格に先立って親が大学に多額の寄付をしたり、卒業生の子どもを優遇したりすること自体は一般的であり、合法とされている。また、アメリカの大学では、人種や国籍や性別の多様性を保つために、意図的に特定のバックグラウンドを持つ受験生を優遇して合格させることも一般的だ。

日本では、入試でいい点をとった受験生を上から順に合格させるのが当たり前だが、アメリカでは、大学がほしい受験生を合格させるのが当たり前。ただテストの点数がよければ入れるとは限らないのが、アメリカの大学なのである。

ニューヨーク在住の、渡辺深雪さんは、20代でハイチ系アメリカ人の夫と結婚し、ニューヨークで2人の子どもを出産・育児し、2017年末、長男がスタンフォード大学に合格した。長女も中高一貫校の中等部に通っている。

「私たち家族は、アメリカではマイノリティーです。白人の富裕層が牛耳るこの社会で、私たち家族のようなマイノリティーが彼らと対等な立場を得るには教育の力が絶対的に必要。しかしアメリカの受験は、ある意味、日本よりも過酷です」(渡辺さん、以下同)

何が過酷なのか。またマイノリティーでありながら、その過酷な受験競争を、どのように勝ち抜いたのか。

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