アメリカで「エリート街道を歩む子」の進学事情

「日vs米」受験競争どちらが過酷?(前編)

公立学校の教育に不安を感じていたころ、渡辺さんは、ママ友からのクチコミで、移民家族であっても私立学校に編入できる制度があることを知った。マイノリティーの家族の中から優秀な子どもを見いだして、およそ2年間をかけて鍛え上げ、名門私立学校に編入させるプログラムである。名門私立学校に入ることさえできれば、アメリカの“エリート街道”に合流できる。

ダメ元の気持ちで「自己推薦」した

このようなプログラムは一般的には「ダイバーシティ・プログラム」と呼ばれ、ニューヨークにはこれを実施するいくつかのNPOが存在する。

応募資格が2つだけあった。小3の州統一テストで一定以上の成績を収めていること。要するに足切りラインがある。そして、「有色人種」であること。渡辺さんの息子・太陽君は両方の条件を満たしていた。

「中身は完全にアメリカ人でも、見た目が有色人種であれば応募資格を満たします。うちの子は、アメリカで生まれ、アメリカで育った、完全なアメリカ人ですが、見た目は日本人とハイチ系アメリカ人の混血。こちらではそのような人を『ビジュアル・マイノリティー』と呼びます」

ただし、合格率は4%の狭き門。アメリカ名門大学に入るより難しいと言われている。渡辺さんも「ダメ元」の気持ちで「自己推薦」した。

結果は「合格」だった。アメリカの“エリート街道”への入口が見えた。

後編では、「スパルタン・アカデミック・ブートキャンプ(スパルタ式お勉強訓練)」と呼ばれるほど厳しい2年間と、その後のスタンフォード大学合格までの道のりを紹介し、そしてそこから見えてきた、日本とアメリカの「受験と進学の常識」の違いを考察する。
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