「お客様の笑顔が第一」と語る人が要注意なワケ 多くの経営者が判を押したように語るが…

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そんなモヤモヤした状態でインタビューは終わりましたが、よくよく考えると、「お客様の笑顔を見ることがモチベーション」という答えは、多くの経営者から聞きます。だとすれば、経営者の相当数はそれをモチベーションにしていることになりますが、本当にそうなのでしょうか?

私は、モチベーションが高まる要因は人それぞれ、しかも一つではなくていいと思っています。当然、周りからどのように思われるかは関係がありません。そう考えると、彼はもしかしたら周囲からよく見られたいために、偽りのモチベーションを語っているのでは、と思えて仕方ありませんでした。

偽りのモチベーションに振り回されることは望ましくありません。実際は、職場の同僚に「君はすごいね」と言われるとモチベーションが高まるのであれば、堂々とそれを大切にしてほしいのです。

大事なのは、自分のモチベーションを上げる本当の要因を押さえておくこと。なぜなら、意欲が低迷したときに、偽りのモチベーションは何の役にも立たないからです。いち早く立て直すためにも、モチベーションが高まる本当の要因に触れる必要があるのです。

モチベーションが落ちることは、悪いことではない

ちなみにモチベーションが落ちる機会がたくさんあることは、実はいいことかもしれません。

その理由は、新しい挑戦をしている分、モチベーションが下がる機会が増えるからです。さまざまなことに取り組んでいるからこそ、失敗や苦難に遭って、モチベーションが下がることが起きるのです。

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そんな果敢な仕事ぶりで堂々とモチベーションを下げている知人を紹介しましょう。彼は社内で誰も成功できなかったプロジェクトに挑戦して失敗。さらに周囲からは「できるわけないよ」「頑張るポーズを取る姿勢は嫌いだな」などと批判を受けました。

彼に普通の仕事を任せれば、期待以上の仕事を仕上げる高い能力をもっているのですが、本人はそれでは満足できないようです。いつも難しい仕事を引き受けて苦労を重ねていました。

当然ながら上手くいかないことが多いので、「モチベーションが頻繁に落ちる」と語ります。しかし、過去に成功して感激した機会を思い出したり、少しでも成果につながる兆しが出るように心がけたりして工夫を凝らしているから、続けられるのだといいます。

そんなとき、偽りのモチベーションでは効果を発揮しません。だからこそ、本当に自分にとって大事なモチベーションをおさえておきたいもの。それがあれば、挑戦も怖くはなくなるのです。

西野 一輝 経営・組織戦略コンサルタント

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にしの かずき / kazuki Nishino

大学卒業後、大手出版社に入社。ビジネス関連の編集・企画に関わる。現在は独立して事務所を設立。

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